90年代NYの即興音楽シーンをとどろかせた鬼才2人のインプロヴァイザー99年録音の『White&Blue』以来、約25年ぶりとなる注目のDuo演奏作品!瞬時に反応し合い、高みに達するエネルギッシュな演奏とユニークさも交わる47分!
1951年生まれ、86年、初の渡米以来、欧米日本各地、世界を旅し、自由なスピリッツでパワフルな演奏を続けるトランペッター田村夏樹。1967年生まれ、90年代、NYのダウンタウン・シーンで旋風を巻き起こし、ジャズ、アヴァン・ロック、パンク・・ジャンルの壁など軽々と越え、揺るぎない存在感を見せるドラマー、ジム・ブラック。鬼才2人による2023年、スイス・ベルンでのスタジオ録音!
田村とジムはともに80年代半ばにバークリー音楽大学に所属しつつ、型にはまることなく、即興に重きをおく演奏で、キャリアを築いてきたアーティスト。99年にはSystems Twoでスタジオ録音をし、『White & Blue』(Buzz)をリリース。それから、2人は藤井郷子をリーダーに、マーク・ドレッサーを迎えたグループでたびたび共演しているが、デュオ作としては、約25年ぶりの作品になる。
作品を通して聴こえてくるのは、鮮やかな音の交感(交歓)。田村曰く、「ドラマー、ジムはとにかく元気、ハッピー、もの凄い勘の良さでこちらの意図を瞬時に解ってくれる。音色やバランスにも真剣で、マトを得た意見を言ってきてくれる」とのこと。刺激し合う演奏はテレパシー的な反応でもって、轟きあり、囁きとユニークな笑いあり。時に睨み(?)をきかせ、間合いを瞬時に判断しながら、創造的な高みをつくり出している。楽曲は、田村がモチーフ的なものを用意して、レコーディング当日に譜面をもってそのまま録音。つまり、その場のインスピレーションによる即興演奏で、新たなドラマがうみだされた。抜群の瞬発力と多彩なパーカッションを操るジム、ヴォイスも交え、豊かな音色、音量の調整もみせるトランペッター田村、音楽をする喜びが満ちた9トラック47分!25年を経てもエネルギーは変わらず音が弾ける!
発売・販売元 提供資料(2024/04/04)
トランペット奏者の田村夏樹とドラマーのジム・ブラックのデュオ『NatJim』。ジムにもう一人ドラマーを加えた『White & Blue』も編成はデュオだった。長年のパートナーであるピアニスト、作曲家の藤井郷子が本作に寄せたライナーによれば田村はデュオでの演奏を好む傾向があるそうだ。人と向き合うような対話型の演奏が性に合っているのだろうか。だから彼の音はダイレクトに聴き手の耳にも届くのだろう。歌心とは少し違う。アイデアをシンプルに、直観的に音にする遊び心が溢れる。曲は都市をテーマにペアになっている。朝と午後、静と騒の都市という風に。情景が設定されアイデアの交換がシーンを動かして二人の現在が浮かぶ。
intoxicate (C)高見一樹
タワーレコード(vol.170(2024年6月20日発行号)掲載)