阿部海太郎と武田カオリが10年以上の歳月をかけて完成させたアルバムのアナログLP盤。ボーナストラックとして、2023年に開催されたバング&オルフセンのアーカイブ展のために本作の世界観で書き下ろした楽曲「Vase」が収録されている。
洗練された音楽性を多方面で発揮してきた阿部が、しんしんと澄んだ武田のヴォーカルのために書き下ろした曲とそこに織り込まれる器楽曲で新境地をひらく。
12のタイトルに綴られる形あるものと、ふたりが紡ぐ形のない音楽が表現するのは、架空の女性の慎ましい生活の痕跡。存在したかもしれない誰かの静謐な意志と豊かな心情が聞こえてくる。
アナログLP盤のカッティングはPiccolo Audio Worksの松下真也が手掛け、余白のある繊細な世界観を追求した音質を実現。
淡々としながらも印象深く透明感のあるジャケットのアートディレクションを手掛けたのは葛西薫。現代美術作家・ミヤギフトシによる写真群が静かな気配を漂わせる。
発売・販売元 提供資料(2024/03/26)
NHK連続テレビ小説「らんまん」の劇伴で脚光を浴びている阿部海太郎と歌手の武田カオリによる共作は、"Boots"Blanket"など架空の女性が身に着けたものを曲名にし、彼女の足跡を辿るような優美で郷愁を帯びた音世界を広げている。繊細なピアノと歌唱、牧歌的な弦楽器のハーモニーが映し出す日々の愛おしさ……。日常に柔らかな灯りをともす静謐で美しい逸品だ。
bounce (C)郡司和歌
タワーレコード(vol.478(2023年9月25日発行号)掲載)