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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2024年05月02日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 小学館 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | 文庫 |
| SKU | 9784094085204 |
| ページ数 | 320 |
| 判型 | 文庫 |
構成数 : 1枚
目 次
第一章 いつの日にか帰らん…………………………………………9
第二章 思ひいづる故郷………………………………………………93
第三章 夢は今もめぐりて……………………………………………175
【初版 あとがき】……………………………………………272
【解説 再録】 ものを語る猪瀬直樹 船曳建夫………274
【著者講演 再録】 国際化時代と日本人の生き方………281
【小学館文庫版 あとがき】夢は〈現代(いま)〉もめぐりて……310
参考文献……………………………………………………314
唱歌誕生の影に存在した壮大な人間ドラマ
「僕」は、島崎藤村の「千曲川旅情の歌」への興味と、『破戒』が生まれるまでの道筋をつまびらかにしておきたいという思いから、真宗寺を訪れる。真宗寺は、『破戒』に登場する蓮華寺のモデルとなった寺である。藤村は、小説の取材(であることは、そのとき隠していたのだが)で、真宗寺を数回訪れていたのだ。しかし、住職の姉、武子から話を聞き、調査を進める中で、「僕」は、真宗寺に眠るもう一つの物語の存在に気づく。それは、かつて真宗寺に下宿し、寺の娘、鶴江と結婚してのち、「故郷」「朧月夜」「紅葉」「春の小川」を生み出した高野辰之の隠された生涯に迫る物語であった。
長きにわたり作者不詳とされた文部省唱歌。彼はなぜ、唱歌を作詞することになったのか。その謎を解くため、「僕」は、上京後の辰之の足取りを追い、作曲を担当した岡野貞一の生涯をも明らかにしていく。
さらに、西本願寺第二十二世門主で大正天皇の義兄となり、三回にわたりシルクロード探検隊を派遣した大谷光瑞、藤村作『椰子の葉陰』のモデルとなった藤井宣正、そして、真宗寺の娘たち……。近代化・欧米化の波に追われた明治後期から昭和初期を生きた人々の生き様と夢が描かれる。人間味溢れる壮大な物語。
【編集担当からのおすすめ情報】
歌の陰で、名前さえ明らかにされなかった2人の作者の人生が、著者の丁寧な取材によって一つの物語となり、スポットライトを浴びることとなった本作。「故郷」が生まれて110年という節目の年に、再び文庫化となりました。
著者の、故郷を思うあたたかなまなざしと、同郷人への愛を感じる物語でもあります。
明治末期から昭和初期の、光と影が複雑に絡み合った時代の風を感じながら、懐かしい歌の数々に、改めて出会っていただきたいと思います。

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