Slash(スラッシュ)の完全ソロ名義としては14年振りとなるアルバム『Orgy Of The Damned』
史上最高のギター・ヒーローの1人であるスラッシュの完全ソロ名義としては実に14年振りとなるアルバム『オージィ・オブ・ザ・ダムド』。近年のスラッシュfeat.マイルス・ケネディ&ザ・コンスピレイターズを含めたソロ・ワークとしては通算6作目となる本作は、自身のルーツに回帰し敬愛するブルースとソウルの名曲を取り上げたカヴァー・アルバム(1曲はオリジナル)。スラッシュ節炸裂の痛快なロックンロールから味わい深い泣きのブルースまで、スラッシュの最も直感的でピュアな思いに溢れたギター・プレイが堪能できる作品となっており、2014年のソロ名義第1弾アルバム『スラッシュ』同様にゲスト陣も超豪華だ。アルバムからの1stシングル「キリング・フロア」では、なんとブライアン・ジョンソン(AC/DC)のヴォーカルにスティーヴン・タイラー(エアロスミス)のハーモニカ、そしてスラッシュのギターという、まさに全ロック・ファン興奮必至のドリーム・コラボレーションが実現。この曲のミュージック・ビデオではスラッシュ率いるブルース・バンドが初お目見えし、ジョニー・グリパリック(b)、テディ・アンドレアディス(key)、マイケル・ジェローム(dr)、タッシュ・ニール(vo/g)と共にレコーディング・スタジオで演奏している。同曲についてのスラッシュ、ブライアン・ジョンソンのコメントは以下の通り。
「キリング・フロア」は俺の大好きなハウリン・ウルフの曲のひとつで、若いギタリストだった頃の俺が夢中になった、アイコニックなブルース・リフのひとつがあるんだ。何らかの形でカヴァーしたいとずっと思っていたから、このアルバムがパーフェクトな手段になった。でもこのバンドでプレイして、しかもブライアン・ジョンソンが歌ってくれるなんて、当時は想像もしなかった成果だよ。ましてスティーヴン・タイラーがブルース・ハープを吹いてくれるなんてね」
――スラッシュ
「スラッシュに"キリング・フロア"で歌ってくれないかと訊かれたときは二つ返事でイエスと言ったよ。俺が生まれて初めてのバンドで最初に覚えた曲のひとつだったんだ。アイツにバッキング・トラックを聴かせてもらったら、考えるまでもなかったしね。それにスティーヴンのハーモニカもものすごく熱い。スラッシュとのスタジオ作業は楽しかったし、俺たちはこの素晴らしい往年の名曲の良さを十分に表現することができたと思っているよ。最高だ」
―― ブライアン・ジョンソン(AC/DC)
アルバムにはその他、クリス・ロビンソン(ザ・ブラック・クロウズ)、ビリーギボンズ(ZZトップ)、イギー・ポップ、ポール・ロジャース、クリス・ステイプルトン、ゲイリー・クラーク・Jr.など、個性豊かかつ実力は折り紙付きのアーティスト達が多数参加しており、このアルバムに大きく貢献している。スラッシュ唯一無二のスタイルで往年の名曲たちに新たな命を吹き込んだ極上のロック・アルバムとなること必至だ。
発売・販売元 提供資料(2024/03/15)
Looking back on it, a blues album by Guns N Roses guitarist seems like an inevitability. Ever since the wild, early days of GNR, Slash relied on earthy riffs and slippery solos over shredding; his greasiness made him a tonic during the heyday of Eddie Van Halen imitators. Orgy of the Damned finds the guitarist emphasizing this aspect of his playing as he cranks up the amplification and leans into a hard backbeat with the assistance of a rotating cast of guest singers. As befitting a star of Slashs status, the vocalists are about as familiar as the tunes. Hes not exploring, hes lying back, having a good time as he settles into his comfort zone. Cozy it may be, but Orgy of the Damned doesnt sound lazy, even if it winds up never delivering anything unexpected. When Paul Rodgers steps up to the mike for "Born Under a Bad Sign," the singer isnt intent on reinventing the song, nor does Billy F. Gibbons want to do anything with "Hoochie Coochie Man" than offer some good-natured sleaze. Generally, this isnt a bad thing at all because Slash usually picks sparring partners that are up to the task. The one major stumble -- a hammy Demi Lovato blowing through "Papa Was a Rolling Stone" as if she was on American Idol -- serves as a way to gauge how effective the rest of the record is. Some acts amiably wander through the changes (Gary Clark, Jr., Chris Stapleton, Beth Hart) but Brian Johnson, Dorothy, and especially Chris Robinson, who pours himself into "The Pusher," sound as happy to be singing the blues as Slash is playing them, and thats enough to make Orgy of the Damned a good time. ~ Stephen Thomas Erlewine
Rovi
ガンズ・アンド・ローゼズの動きも気になるスラッシュが、マイペースにソロ新作を完成。今回はブルース~ソウルの古典を取り上げたカヴァー集でありつつ全曲に豪華ゲストを招いたコラボ作でもあるという寸法。クリス・ロビンソンやゲイリー・クラークJr、イギー・ポップ……と演者も多彩で楽しい。懐古的なようでいて現在進行形な感じもするブルース・ロック作品。
bounce (C)亜蘭済士
タワーレコード(vol.486(2024年5月25日発行号)掲載)