フォーハンズ～ピアノ連弾のための作品集

アレクサンドル・タローが気のあった豪華共演者22名と贈る
凝った選曲による魅力一杯のピアノ連弾作品演奏

常に熟考を重ね、革新的なプログラムを披露するピアニスト、アレクサンドル・タロー。このアルバムでは4手のピアノのための作品を演奏していますが、これがまた凝りに凝った選曲と彼が相方に選んだ共演者の豪華さには驚きを隠せません。

アルバムの冒頭こそ、よく耳にするブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」ですが、共演するのは第18回ショパン国際ピアノ・コンクールの優勝者ブルース・リウ! ベアトリーチェ・ラナ、ベルトラン・シャマユ、ダヴィッド・フレイ、マリアム・バタシヴィリ、ミシェル・ダルベルト、エリック・ル・サージュ、フランク・ブラレイ、といったワーナークラシックスで活躍するおなじみのピアニストをはじめ、2022年に惜しくも亡くなったニコラ・アンゲリッシュ、アレクサンドル・メルニコフ、アイスランドの鬼才ヴィキングル・オラフソン、そして児玉桃、2009年生まれの若きアリエル・ベック、またタローの親友フレデリック・ヴァイス=ニッター、そしてベテラン・ピアニストのアレクサンダー・マッジャーの名前まで。さらに共演者の中にはチェリストのゴーティエ・カピュソンやカウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーが含まれているだけでなく(もちろんピアノを演奏)、フランス内外で絶大な人気を誇るフランス音楽の最も独創的ポップスからクラシック関係無く活躍する歌手のジュリエットもピアノで参加しているという信じられないほどの顔ぶれです。

選曲も絶妙。前述のハンガリー舞曲やフォーレの「子守歌」、シューベルトの「軍隊行進曲」など連弾の定番曲から、ほとんど耳にすることのないフランセやラヴィニャックの作品など、よくここまで探してきたなと思わせるほどの曲目リスト!曲にあわせてタローはプリモとセカンドを弾き分け、共演者たちを引き立てながら、作品の魅力をとことん語りつくしています。

ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書付き。
ワーナーミュージック・ジャパン

The Alexandre Tharaud & Friends billing of this program of four hands piano music indicates that the pianist is joined by different players on the second part of each work; in fact, each track features a different pianist. That might seem unwieldy at best, given that duo piano partnerships evolve over years in search of a unified sound, but that is not what Tharauds album is about. Instead, he seeks the spontaneity that concerts had a hundred years ago or more, when various artists might step onto the stage unexpectedly, and his idea works delightfully. For one thing, many of his partners are young up-and-comers, and listeners will be glad to make the acquaintance of the likes of Beatrice Rana and Mariam Batsashvili if they havent already. For another, several, such as the cellist Gautier Capucon, are not pianists by trade, adding to the spontaneous quality. Tharaud puts this all together with a fun, constantly shifting program that includes standards of the genre like one of Dvořaks Slavonic Dances, semi-popular material like the Galop-Marche pour huit mains of Albert Lavignac (here, it is arranged for four), obscure but worthwhile pieces like one of Robert Schumanns Sechs Studien in kanonischer Form, Op. 56, 20th century pieces, and more. The whole thing has a very attractive gather-round-the-piano quality, and it was no surprise to see the album make classical best-seller charts in the spring of 2024. ~ James Manheim

アレクサンドル・タローが贈る連弾アルバム。豪華すぎる共演者、ありそうで無かった共演、これほどワクワクする連弾アルバムがあったでしょうか!それぞれの共演者に作曲家が選ばれ、作曲家被り無し。チェロのゴーティエ・カピュソンや、カウンターテナーのジャルスキーまでもがピアノを弾いています。ブルース・リウとの緊張感溢れているのに楽しい《ハンガリー舞曲第5番》に、フレイとの繊細なバッハ(まるで一人で弾いているみたい)、シャマユとのラヴェルにうっとりし、ブラレイとの超絶技巧ラヴィニャックに聴き入る…などなど、全22曲、変幻自在に様々な色になれるタローのピアニズムは圧巻!
intoxicate (C)上村友美絵