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NEJM Clinical Problem-Solving:Taroの"別解"

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フォーマット 書籍
発売日 2024年04月15日
国内/輸入 国内
出版社南江堂
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784524227273
ページ数 148
判型 A5

構成数 : 1枚

【書評】
「System 2の妙」
The New England Journal of Medicine(NEJM)といえば,医学総合系で最も高いインパクトファクター(158.5(JCR 2022))を誇り,泣く子も黙るような雑誌だが,そのなかのシリーズの内容が日本語で紹介されるのは本書でおそらく3冊目であろう.Clinical Problem—Solving(CPS)は1992年にスタートし,おおむね毎月の最初の号に掲載されているシリーズである.CPSが掲載される号にはあの有名なCase Records of the Massachusetts General Hospitalが掲載されない! CPSの国内での認知度は不明だが,コアな読者がいるに違いないと想像している.

1996年に評者がGeorgetown Universityへ内科の視察に行ったとき,モーニング・レポートの場面でCPSをチーフレジデントが教材に使っているのをみた.具体的には,症例提示部分のみをみせて研修医が議論し,最後に解説の部分を渡すというもので,非常に教育的だと感じた.そこで2000年頃に,私も研修医に対して同様の教育を数年間行っていたが,その後は忙しくなりその勉強会は立ち消えになっていた.2023年に当科で久方ぶりにこの勉強会が開かれた.評者が歳をとっただけかもしれないが,教育的な内容であるとの印象には変わりがないものの,discussantのコメントが今一つだったり,症例のプレゼンが雑だと思うことがあった.CPSのキモは,疾患に対する解説者の理解度の高さを追体験して吸収していくところにある.

そこで本書の登場である.単なるCPSの訳ではなく,志水太郎教授による症例解説が行われているのが独特であった.同じ病歴の提示を受けたときに,何をどこまで想起できるかという点が臨床推論の醍醐味である.疾患のいわゆる"ゲシュタルト"がわかっていると,病歴から特定の疾患を想起できるが,皆それがないから悩むのである.難解な症例というのは,おおむね頻度のまれな現象が多いため,これらをどの程度理解しているかという,ゲシュタルトへの深い洞察が求められる.熟達者は,ないものをないと言い切り,ありそうなことが何かということを自然に鑑別しているだろう.そうなるには,各々の症例を自分の経験として体得できるようにゲシュタルトの認知を鍛えることが必要である.私は悩んだら,まずは疾患のreview articleや症例報告を探して,それらを読むことで鍛えてきた.これはsystem 1の鍛え方である.NEJMの解説者もおおむね同じような感覚で書いていると思う.

ところが,本書では志水節ともいえる診断の切り込み方が書かれており,かなり斬新なアプローチがなされていることに気づく.初学者はsystem 2から推論を始めるが,志水先生はこの難解な症例たちを独自の"診断戦略"で鑑別を進めるという方法を通じて,初学者がどのようにアプローチできるようになるのかを示そうとされている.System 2の体系化という診断推論の普遍化を試みる意欲的なチャレンジだと思った.

臨床雑誌内科135巻2号(2025年2月号)より転載
評者●清田雅智(飯塚病院総合診療科 診療部長)


【まえがき】
2021年にJournal of American Medical Association(JAMA)誌,British Medical Journal(BMJ)誌や診断系のトップジャーナルであるDiagnosis誌から,Diag­nostic Excellenceという概念のイニシアチブが出されました.これは日本語に訳すと診断の卓越性,またはよりマイルドには良質な診断という翻訳がよいかもしれません.2015年のImproving diagnosis in healthcare1)で「患者の,...

  1. 1.[書籍]

志水太郎先生が「NEJM Clinical Problem Solving」を読解!精選された12ケースを取り上げ,診断の進め方,着眼点を明快に解説.随所に本家のディスカッサントとは異なる"別解"を示し,確定診断に導いていく.【掲載内容に関するご注意】本書には「NEJM」の論文自体は掲載されておりません.実際のケースをお読みいただくには,別途「NEJM」誌をお求めください.(紙面に該当論文のQRコードを掲載)

作品の情報

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著者: 志水太郎

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