| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2024年03月15日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 筑摩書房 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784480017918 |
| ページ数 | 432 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
はじめに
第一章 そも、アメリカとは何者か
わずか三五〇年ほど前のことだった/新世界の「純潔」、旧世界の「頽廃」/アメリカは戦争するたびに姿を変える国である/昭和一八年を境に日米戦争はがらりと様相が変わった/アメリカの脱領土的世界支配――金融と制空権を手段として/「権力をつくる」政治と「つくられた権力」をめぐる政治の違い/アダム・スミスの「見えざる手」は余りに楽天的に過ぎないか/五〇〇年続いた「略奪資本主義」の行き詰まり/最初の帝国主義者、スワード米国務長官の未来予見/日本排除はアメリカ外交の基本方針だったのか/原則として拡大する必要のない国家アメリカの膨脹政策/EU統合からふり返って二〇〇年前の「アメリカ統合」を再考する/フランス革命をめぐるジェファーソンとハミルトンとの対立/奴隷解放は南北戦争の目的ではなかった/もしも北アメリカの一三州がヨーロッパのように複数の独立国のままだったら?/リンカーンは天才的な宗教家だった/戦後の日本人にアメリカ映画が与えた夢/世界を凌駕する大学文化/アメリカはまだ「中世」なのか、それともアメリカ史には「中世」がなかったのか/古代ギリシアでは奴隷の必要性の認識は動かない/弱者に対する自由という?き出しの生命のやり取り/競争の導入による自由の現代的よみがえり/「アメリカ独立宣言」に含まれなかった黒人とインディアン
第二章 ヨーロッパ五〇〇年遡及史
歴史をあえて逆読みする/世界帝国になったスペインとイギリス/始まりは二つの小国│――テューダー朝と、アラゴン・カスティーリャの連合王国/フェリペ二世に匹敵する豊臣秀吉の行動は日本「近代」の第一歩だった/オランダやフランスを手玉にとったイギリス外交のしたたかさ/大航海時代の朋友、ポルトガルとスペインの相違点/ヨーロッパの出口なき絶望の中で、ポルトガルの西海の一カ所にのみ開かれた地形/一五、一六世紀アフリカ東岸はイスラム商人たちが屯する「寛容の海」だった/モザンビークの暴行からカリカットの略奪へ/自由だったインド洋に「ポルトガルの鎖」という囲い込みが作られた/世界史に影響を与えたローマ法王の勅許「トルデシリャス条約」/中世末に正しい法理論争が起こらなかったのはなぜか/首のない人間とか犬の姿をした人間が生まれたなど、無知と迷信にとらわれた最初のヨーロッパ人/インディオは人間かを真剣に問うた「バリャドリッド大論戦」の科白を紹介する/当時の体制思想の代弁者セプールベダ/人類という近代的概念に囚われたビトリア/正しいのはどちらでもないとラス・カサスは叫びつづけた/コロンブスが発見し上陸した西インド諸島のその後/「エンコミエンダ」の撤廃のための孤独な戦い/実行家ラス・カサスによる魂ゆさぶる衝撃/異端と異教徒は別次元の存在/キリスト教的近代西洋の二つの大きな閉ざされた意識空間/ラス・カサス評価の浮き沈み
第三章 近世ヨーロッパの新大陸幻想
「海」から「陸」を抑えるイギリスの空間革命/イギリスが守った欧州二〇〇年の平和/北西航路か北東航路かのつば競り合いが始まった/アフリカの海では魚釣りのように気楽にニグロを捕まえる/アメリカ大陸が「島」に見えてくるまで眼を磨かなくてはならない/掠奪は当時の西欧の市民社会では日//...
西欧世界とアメリカの世界進出は、いかに進んだのか。戦争五〇〇年史を遡及し、近代史の見取り図から見逃されてきたアジア、分けても日本の歴史を詳らかにする。
西欧の暴力・科学・信仰の一体化は
どのように世界を拡大し、
悲劇を生んだか
日本が対峙させられた西欧精神の深層を
500年の歴史から読み解く著者畢生の一冊
西欧の歴史は休みない戦争の歴史であり、特に16-18世紀は「軍事革命」の300年だったと言える。西欧はそれを奇貨として、宗教改革によって強化されたキリスト教信仰と「新大陸幻想」に駆られて、新世界の発見・拡大に躍り出る。その歴史はスペインとポルトガルに始まり、オランダ、イギリスを経て、アメリカの「脱領土的世界支配」に至る。そして今日、中国の勃興を背景に流動化する国際秩序は、「新たな中世」の到来を告げているかのようだ。世界覇権をめぐる500年の争いを俯瞰し、日本が立ち向かうべき「現実」の正体に挑む著者渾身の一冊。

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