ロバート・プラント、アリソン・クラウスからブランディ・カーライル、エルトン・ジョンまで、また映画『オー・ブラザー!』や『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』といった象徴的なサウンドトラックでの仕事でよく知られる、オスカーやグラミー賞を受賞した作曲家兼プロデューサー兼ソングライターT・ボーン・バーネットの最新15枚目のソロ・スタジオ・アルバム。リスナーに焦点を当て、「you(あなた)」という言葉にフォーカスしたという新作。
テクノロジーが長年にわたって我々の文化に与えてきた影響を探求した作品で、ロザンヌ・キャッシュ、ルシウス、ワイズ・ブラッドとのコラボ曲や、レオン・ラッセル、エルトン・ジョン、カサンドラ・ウィルソン、ウィリー・ネルソン等と共演してきたキーボード奏者・作曲家のキーファス・カンシア、ドラマーのジェイ・ベルローズらが参加した全12曲を収録している。同アルバムから、ルシウスをフィーチャーした先行曲「Waiting For You with Lucius」が現在先行配信中。
このアルバムは、この手強いギタリスト/シンガーソングライターの、フォークとフォームへの徹底的な回帰を約束するものでカントリーとブルーグラスのルーツに敬意を払いつつ、同時に新しいファンが直感的に好きになる音楽を引き立てるサウンドで、今日のインディーやオルタナティヴ・ロックのサウンドを確立したバーネットならではのアメリカの良心のようなヴォーカル作品。
発売・販売元 提供資料(2024/03/01)
プロデューサーとして、現代のアメリカーナを支えるT・ボーン・バーネットが今一度、シンガー・ソングライター/ギタリストとしてアメリカーナに取り組む。フォークから、ラグタイム、カントリー、ウェスタン・スウィング、ブルース、ハワイアンまでという多彩な全12曲が夢幻的な世界観の中で物語るのはバーネットの圧倒的な存在感。もちろん、ロザンナ・キャッシュ、ルシアス、ワイズ・ブラッド、そしてローリング・サンダー・レビューの盟友、スティーヴン・ソールズら、ゲストによるハーモニーも聴きどころ。本作を機にプロデューサーとしての説得力がさらに増すことは間違いない。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.486(2024年5月25日発行号)掲載)