西海岸ジャズ・シーンを代表する2人のトランペッターによる極上のジャズ!
ジャック・シェルドンとチェット・ベイカー、2人の失われた音源が半世紀を経て発掘!
闘病後のチェットの気迫あふれる旋律がたまらない一枚
ジャック・シェルドンとチェット・ベイカー、西海岸ジャズ・シーンを代表する2人のトランペッターが残した世に出ることのなかった音源『In Perfect Harmony: The Lost Album』がリリース。
今作は、このレコーディングに参加していたギタリスト、ジャック・マーシャルの息子であるフランクと、チェット・ベイカーのアーカイブスの協力によって実現したジャズ・ファンが唸る奇跡の一枚である。このプロジェクトは、1972年、西海岸の音楽シーンにほとんど参加していた、名トランペット奏者のジャック・シェルドンによるアイデアで始まった。シェルドンから誘いを受けたチェットはこのアイデアを気に入ったが、最初はしばらく躊躇していたという。結果的に今作はチェットにとって1966年の闘病以来初のレコーディングとなった。
シェルドンは、チェットの気力を上げるためにバックバンドに偉大なミュージシャンを集めた。ピアノには、通称"蛙ジャケ"で有名なデイヴ・フリッシュバーグ、ベースはアート・ペッパーのセッションメンバーとして活躍した(名盤「Surf Ride」など)ジョー・モンドラゴン、ドラムはウェス・モンゴメリーなどのバンドで活躍したニック・セロリ、そしてギターは、ウディ・ハーマン楽団や映画スタジオのサイドマンとして活動していたジャック・マーシャルが参加。ユナイテッド・オーディオでレコーディングが行われ、セッションは順調に進み、ミキシングが終わった。
ギターのジャック・マーシャルは、そのデモテープをレコード・レーベルに持ち込み、幾つかの会社が興味を持ったが、1973年9月20日に惜しくも心臓発作で急死してしまい、テープはガレージにしまい込まれ、その後リリースされることはなかった。そして今日、50年間保管され、この長い間失われていた珠玉のアルバムを、私たちはようやく楽しみ、祝うことができる。チェットとシェルドンの2人が残した、美しく愉快なジャズをぜひ、大事に聴いてほしい。
発売・販売元 提供資料(2024/02/28)
私的にチェットをチェックし続ける筆者の待望作。ジャック・シェルドンとチェット・ベイカーという西海岸ジャズ・シーンを代表する2人のトランペッターが残した、50年以上の間世に出なかった極上のジャズ作品。チェットにとって1966年の闘病以来初のレコーディングとなった本作には、通称"蛙ジャケ"で有名なデイヴ・フリッシュバーグ(p)、アート・ペッパーとの活動(名盤『Surf Ride』など)も有名なジョー・モンドラゴン(b)、ウェス・モンゴメリーと活動していたニック・セロリ(ds)やジャック・マーシャル(g)など超豪華なバック陣との奇跡盤。ええやんええやん。
intoxicate (C)黒田"ハイプ"朋規
タワーレコード(vol.169(2024年4月20日発行号)掲載)