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被災者発の復興論 3・11以後の当事者排除を超えて

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フォーマット 書籍
発売日 2024年03月12日
国内/輸入 国内
出版社岩波書店
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784000245548
ページ数 258
判型 46

構成数 : 1枚

はじめに

第I部 被災者が排除される復興の現実

第1章 復興の主体は誰か――被災各地の「復興」を振り返る(横山・阿部・市村・三浦・山下)
1 誰のため、何のための「復興」か
2 巨大防潮堤の建設と高台移転が切り捨てたもの――宮城県石巻市雄勝町雄勝地区
3 広域避難下の町外コミュニティの模索と、住民不在の帰還政策――福島県双葉郡富岡町
4 大谷海岸の防潮堤建設を住民の合意で変更へ――宮城県気仙沼市本吉町大谷地区
5 当事者排除の復興政策を超えるために

第2章 福島発の「復興論」がもたらした当事者排除――三つの論から(宮本)
1 福島の「復興論」 三つの視点
2 避難元自治体「富岡町」としての復興論――市村高志『人間なき復興』から
3 「福島県」としての復興論――開沼博『はじめての福島学』から
4 「浜通り」としての復興論――小松理虔『新復興論』から
5 三者が代表する立場とは何か
6 当事者とは誰か――被災当事者・避難当事者・被害当事者についての考察
7 被災・避難の当事者を包摂する"真の復興"へ
8 新たな当事者「風評加害者」の登場(追記)

第3章 政府の復興政策の変容をみる――置き去りにされた被災当事者(横山・山下)
1 被災当事者排除のメカニズムとは
2 津波被災地域の「復興」と防潮堤および防災集団移転
3 原発事故後の「復興」と早期帰還政策
4 復興政策の失敗をどうみるか

第II部 復興と「戻る」こと

第4章 地域の未来を支えるのは誰か――地域と人を結ぶ力(成田・横山)
1 地域とつながろうとする力
2 地域を形成しそこに人を引き留め置く力――ホールドとは何か
3 津波・原発被災地にみられる被災者へのホールド
4 復興におけるつなぐ力・戻る力・地域を戻す力の意義

第5章 故郷としての被災地に関わる――富岡・南相馬・雄勝で被災した若者たちの現在(横山・市村・阿部・成田)
1 地域を継承する論理とは
2 富岡町――聞き書き作品づくりでの記憶の継承と町民アイデンティティの再構築へ
3 南相馬市原町区――若者の被災・避難と農家生活の継承
4 雄勝町――雄勝小学校を卒業した若者のその後
5 震災経験を経て、何を、どう継承していくのか

第III部 被災者のための復興を構想する

第6章 当事者と復興――被災者発の復興論へ(座談会)(山下・阿部・三浦・市村/横山・宮本)
パート1 災害と復興をめぐる当事者について――当事者排除がもたらすもの
1 自らの当事者性について
2 当事者の向こうにいる別の当事者――被災者排除の過程
3 核心にいる当事者は声が出せない
4 当事者性を曖昧にしてはいけない
5 その結果、復興はどうなったか
パート2 復興を被災者のものにするために――当事者排除の原因は何か
1 当事者排除が生じた理由
2 間違った形の復興ヘ
3 加害者優位の原発事故
4 この復興の形を決めたのは誰か
5 国策においては誰もが当事者である

第7章 復興における当事者性について(山下)


あとがき

主要参考文献

  1. 1.[書籍]

被災者らの声を排し、行政主導の公共事業によって変質した地域――。はたして、これが「復興」と呼べるのだろうか。被災者当事者である執筆者らは、コミュニティの維持や故郷の再生に向け、3・11以降、活動と研究を重ねた。被災者不在の復興の実態や要因を問い直し、いま自分たちの言葉で、あるべき地域の未来を構想する。

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