カナダはトロントのハードコア/ノイズロック・バンド、メッツの新作が完成。パワフルさと美しさを兼ね備えた4年振り自身5枚目のアルバム『アップ・オン・グラヴィティ・ヒル』、サブ・ポップよりリリース。 (C)RS
JMD(2024/03/19)
カナダはトロントのハードコア/ノイズロック・バンド、メッツの新作が完成。パワフルさと美しさを兼ね備えた4年振り自身5枚目のアルバム『アップ・オン・グラヴィティ・ヒル』、サブ・ポップよりリリース。
METZは4年ぶりとなるアルバム『Up On Gravity Hill』をSub Pop(カナダはDine Alone)からリリースする。このアルバムは、Seth Manchester(Mdou Moctar、Lingua Ignota、Battles、The Body)がエンジニアをつとめ、Black MountainのAmber Webberとコンポーザー/ストリングス・アレンジャーのOwen Pallettがゲスト参加している。METZは、かつては歓喜に満ちた怒りの歌で鼓膜を吹き飛ばすことで知られていたバンドだが、過去数枚のアルバムでは、獰猛さをアトモスフェリックに変える方法を模索し始めている。こうした彼らのサウンドの進化は、バンド自身の成熟だけでなく、理解し生き残るためにニュアンス(微妙な差異)と思いやりを要求する世界の変化も反映している。『Up On Gravity Hill』でもそれは顕著で、バンドはロックの生々しいパワーを最も繊細で複雑な結末へと導き続けている。この作品は、METZのこれまでで最もパワフルなレコードであるだけでなく、最も美しいレコードでもある。こうした進化にスポットライトを当てるため、バンドは対照的な2枚のシングル(ストンプするようでモータリックな「99」と、チャージしながらも深くメロディックな「Entwined (Street Light Buzz)」)を、アルバムのアナウンスと共にリリースした。
発売・販売元 提供資料(2024/02/27)
カナダを拠点とする3ピースの5枚目のアルバム。ハードコア/ノイズ・ロックに軸足を置くハイエナジーな演奏はさらに分厚くなり、直情的な勢いを増しているようだ。大声で歌いたくなる"99"、不穏なグルーヴで駆け抜ける"Never Still Again"、そして、ラストを飾る"Light Your Way Home"は美しいメロディーとサイケな浮遊感が見事に溶け合った良質曲である。
bounce (C)荒金良介
タワーレコード(vol.485(2024年4月25日発行号)掲載)