Born

現代カントリー・シーンで圧倒的な人気を誇る、カントリー・キング、ケニー・チェズニー。人々の声を聞き、歌にしてきた“人々のスーパースター"のニュー・アルバム『BORN』完成。アメリカのハート&ソウルを捉えた15曲がここにある。

現代カントリー・シーンで圧倒的な人気を誇る、カントリー・キング、ケニー・チェズニー。アリーナ・ツアーはことごとくソールド・アウト、2000年代に入ってからリリースされたスタジオ・アルバムは、全て全米アルバム・チャートのTOP3に輝いている。 21世紀のカントリー・スターとしての地位を確固たるものとしている彼が実に久しぶりとなるニュー・アルバムを完成させた。

ここ数年は、良き友人たちや若いソングライター、ソングライターの殿堂入りを果たした匠達による作品や昔からのお気に入りを聴いて過ごしていたという彼による最新作『BORN』。ここに収録されている15曲は、2000年代以降のアメリカで青春時代を過ごす人たちの人生のサウンドトラックとも呼べるべき作品である。すでに全米カントリー・チャートのTop20にエントリーを果たしているリード・シングルの「Take Her Home」から、「Just Say We Did」、さらに前に進もうともがいている人たちに向けた深みのあるミッド・テンポ・ナンバー「Thinkin Bout」など、ケニー本人が自ら探しているという、「私たちがどのように生き、呼吸し、働き、ロックし、くつろぎ、時には単純ではない感情に絡め取られるのかを描いた曲」が並んでいる。

またアルバムのタイトル『BORN』についても彼は次のように語っている。
「ひとつ確かなことは、『BORN』は絶対にタイトル・トラックだということだ。この曲にはたくさんのハートとソウルがあり、生きること、人生、そして私たちがここでやっていることについての真実を語っている。バンジョーが前面に出て、大きな余韻が前後に揺れ、最高の気分だ。しかし、もっと重要なのは、この歌詞がすべての選択肢を捨て、何をすべきかを決して教えず、何を選ぼうと、ただひとつの実存的な真実を投げかけていること:俺たちは生まれたその日からずっと生きているってね」

さらにケニーがじっと前を見据えたアルバム・アートワークについて、彼はこう語る。
「アルバム・カヴァーはすでに決めていたんだ。すべてを語っているような写真だけど、それ以外のものには余白がある。友人のアリスターが撮影してくれたんだけど、私が『No Shoes Nation』をまっすぐ見つめているんだ。それを見たとき、このアルバムにはこの写真しかないと思った」

現代カントリー・シーンを牽引する地に足のついたスター、ケニー・チェズニー。精力的にツアーを行い、人々に歌を届け続けている"キング・オブ・ザ・ロード"の最新作『BORN』には、ロサンゼルス・タイムスがかつて評した"人々のスーパースター"の姿を見事に捉えているに違いない。

Thirty years and twenty albums deep into his career, Kenny Chesney isnt about to tinker with the formula that has turned him into an institution. Born arrived in March of 2024 accompanied by a promotional campaign where Chesney claimed the process behind the record was unusually loose, fostering a free-floating creativity -- notions that can barely be discerned on a record thats preoccupied with good vibes, clean surfaces, and harmony. Those qualities have been what has unified Chesneys catalog since the early 2000s, when No Shoes, No Shirt, No Problems recast the country singer as the unlikely heir to Jimmy Buffetts beachside bard. Always considerably more clean-cut than the shaggy Buffett, Chesney prized sleek studio craftsmanship, a sound he achieved with the assistance of Buddy Cannon, a producer who has collaborated with the vocalist since 1997. The two have a history and a shorthand thats evident throughout Born, which is as cozy and comfortable as any album theyve made in the past. Its as appealing as anything theyve ever cut, too. Bright and cheerful without being cloying, Born has an easygoing gait and a welcoming warmth; the melodies dont announce themselves but sink their hooks into the subconscious all the same. The surprising thing about Born is that nothing feels either fresh or unexpected -- the gloss looked shinier a few decades ago, the bruises on the ballads have faded -- yet the album works all the same because Chesney and Cannon have such a firm grasp on their strengths. Its tuneful, mellow, and sunny, not swaggering but comfortable. Its confident enough to not be hurt if you choose to pass it by, but if you choose to stay, youre bound to have a good time. ~ Stephen Thomas Erlewine