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中国天台宗の戒律観の研究 明曠『天台菩薩戒疏』を中心に

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構成数 : 1

序論
一 問題の所在
二 先行研究の概観
三 研究の方法と範囲
四 本書の構成
五 研究の意義
六 凡例

第一部 中国における戒律の受容と解釈
第一章 史伝および経典目録に見る戒律の理解
第二章 『梵網経』における初期仏教以来の戒・律
第三章 『菩薩瓔珞本業経』の三聚浄戒と声聞戒

第二部 智顗・灌頂・湛然の戒律観
第一章 智顗
第一節 十善の考察
第二節 律儀戒の考察
第三節 『円頓止観』および第二本における戒
第四節 性戒と戒体論
第二章 灌頂
第一節 『観心論疏』
第二節 『涅槃経』注釈書
第三節 『四念処』と『別伝』
第四節 智顗疏と灌頂に関する一考察
第三章 湛然
第一節 大乗・小乗の戒律観
第二節 性戒と戒体論
第三節 『大智度論』の十種戒および『涅槃経』の諸戒
第四節 化法の四教と事戒および『梵網経』
第五節 律宗からの影響の可能性

第三部 明曠『天台菩薩戒疏』の研究
第一章 概説
第一節 明曠の事績
第二節 明曠疏について
第三節 明曠疏の序文の検討
第二章 七門分別
第一節 七門分別ならびに第一名体門・釈名段の考察
第二節 第一名体門・出体段における戒体説
第三節 第二宗用門の考察
第四節 第三教摂門における化法の四教
第五節 第四受法門における菩薩戒儀
第六節 第五伝訳門の考察
第七節 第六料簡門に見る明曠の関心
第八節 第七随文解釈門について
第九節 第七随文解釈門における階位説と十乗観法
第三章 十重四十八軽戒
第一節 解釈方法の考察
第二節 戒条の名称および別縁の考察
第三節 小乗の戒についての解釈
第四節 『法華経』および円教による解釈
第五節 慧威の注釈の引用
第四章 後代の戒律観に対する影響
第一節 中国の戒律観に対する影響
第二節 日本の戒律観に対する影響
第三節 先行研究の検討

結論
一 各部における考察の要約
二 考察のまとめ
三 今後の課題

参考文献
あとがき
索引

  1. 1.[書籍]

本書は、智顗・灌頂・湛然ら中国天台宗諸師の戒律観を明らかにした上で、湛然の弟子である明曠が『梵網経』を注釈した『天台菩薩戒疏』(明曠疏)を検討し、その特徴および後世への影響を考察するものである。
大乗戒単受による出家を主張した最澄への影響を考察する先行研究において、明曠および明曠疏はたびたび取り上げられてきた。しかし、その研究状況については、いくつかの問題――第一に明曠疏を正面から検討した専門的な研究がほとんどない、第二に明曠疏の最澄に対する影響を論じようとするあまり日本天台宗の戒律観に沿う形で考察されているきらいがある、第三に中国仏教および中国天台宗の戒律観の中で明曠疏を考察している研究が少ない――を指摘できる。また、南山宗の道宣や華厳宗の法蔵など、中国天台宗以外から受けた影響を検討することも必要であろう。
こうした課題を踏まえて、中国天台宗諸師の著作、智顗や法蔵らによる『梵網経』注釈書、そして菩薩戒の授戒儀など、先行する諸文献との関係に配慮しながら、明曠疏を総合的に考察するのが本書である。またそのためには、前提として中国における大乗戒と小乗戒の関係を踏まえておく必要があるため、はじめに、経典目録などを通して戒律に対する大乗・小乗認識の変遷を概観した上で、『梵網経』『菩薩瓔珞本業経』における初期仏教以来の戒・律への理解を検討する。
本書によって、1明曠および明曠疏の総合的な解釈、2『梵網経』諸注釈書の横断的な比較、3菩薩戒の授戒儀としての特徴の考察、4智顗・灌頂から湛然・明曠に至る戒律観の変遷の解明、5日本天台宗に及ぼした影響の検討、という諸点において、従来の研究に対して新たな見解を提示したい。

作品の情報

メイン
著者: 大津健一

フォーマット 書籍
発売日 2024年02月16日
国内/輸入 国内
出版社東洋哲学研究所
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784885960826
ページ数 1072
判型 A5

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