サウス・ロンドン・シーンから頭角を現し、UK新時代を築いたバンド、ゴート・ガールが最新アルバムと共に帰還!!
ブラック・ミディやブラック・カントリー・ニュー・ロード、ソーリーやシェイム、アイドルズといった刺激的なバンドを次から次に輩出してきたUKロックの新たな震源地であるサウス・ロンドンのヴェニュー<Windmill>から登場した4人組バンドのゴート・ガールが、3rdアルバム『Below The Waste』を〈Rough Trade〉からリリース。
本アルバムはバンドに加えて、同じく〈Rough Trade〉からリリースされたランカムやブラック・ミディのアルバムにも携ってきたプロデューサー/エンジニアのジョン・スパッド・マーフィーが共同プロデュースしている。長期間に渡ってコラージュのようにつなぎ合わされた音源は、アイルランドの<Hellfire Studios>で10日間かけて録音された。その他にデーモン・アルバーンのスタジオである<Studio 13>も使用された。ストリングス(ルーベン・キリアキデスとニック・ペンドルベリー)、木管楽器(アレックス・マッケンジー)、ヴォーカル(家族や友人による合唱団を含む)など様々なサウンドが追加され、それらは、イングランド東部エセックスの納屋からサウス・ロンドンにあるゴート・ガールのスタジオまで、さまざまな場所でセッションが行われた。
リード・トラック「ride around」について、ヴォーカルのロティは「当時はフィリップ・グラスやディアフーフの音楽で、緊張感と収束感のバランスを表現したものをたくさん聴いていて、それがこの曲に影響を与えたのは間違いない。あの時期は、誰もがそうだったように、私たちはお互いから孤立していたこともあって、人との関係において、誠実さや真実味を求めるようになっていた。でも、それ以上に、私が思い描いていたのは、人間が必死になって固執している礼儀作法をすべて取り去り、自分自身の最も興味深い部分が抑圧されていそうな、深層へと潜り込んでいくような、深いものだと感じていた。」と話している。
国内盤CDはボーナス・トラックが追加収録され、解説書・歌詞対訳が封入される。
発売・販売元 提供資料(2024/02/14)
南ロンドン発、いわゆるウィンドミル界隈から登場したバンドだが、形式的な〈ポスト・パンク〉から逸脱していくクリエイティヴィティーは、脱退したネイマ・ボックのソロ作やメンバーの課外活動を見ても明らかなわけで、このサード・アルバムでも飽くなき実験精神が爆発している。ポイントは、過去2作を手掛けたダン・キャリーではなく、ランカムに代表される英~アイルランドのフォーク再興に貢献するジョン・スパッド・マーフィを共同プロデュースに迎えたこと。洞窟の中で響いているようなサウンド、生音と電子音のタペストリーが魔術的で、聴く者の感覚をグニャリと曲げる。
bounce (C)田中亮太
タワーレコード(vol.486(2024年5月25日発行号)掲載)