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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2024年02月16日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 学文社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784762032943 |
| ページ数 | 608 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
はじめに
I 日常生活と映像をつなぐ-その理論と枠組み
第一章 日常生活のなかにある映像を問題化する
第一節 地域映像アーカイブは研究はメディア研究への批判としてある / 第二節 映像資料と文字資料
/ 第三節 ユニティの編み目-中間的コミュニケーションの発見 / 第四節 映像メディアが普及する過程
/ 第五節 メディアを研究する二つのアプローチ / 第六節 過程としての社会
第二章 メディア研究における移動論的転回
第一節 近代、商品の物語 / 第二節 資本主義の移動論的転回 / 第三節 資本主義を支える構造
/ 第四節 「雑業」をする人びと / 第五節 文化と差別の再編
/ 第六節 雑業の人びとの移動から時期をわける / 第七節 おわりとはじまりをつなげる
II 前近代からの黒い声-辺縁の地から
第三章 村の内と外をつなぐもの-漂泊する文化
第一節 「漂泊と定住と」という議論 / 第二節 ヴァナキュラーなもの
/ 第三節 ヴァナキュラーなものとメディア / 第四節 ヴァナキュラーな現場
/ 第五節 「村のなか」の里国隆という歌者 / 第六節 漂泊の盲目の芸人としての里国隆
/ 第七節 「村のそと」での里国隆という歌者 / 第八節 事件としての琉球フェスティバル
/ 第九節 シマとうた
第四章 ヴァナキュラーな現場で記録する
第一節 竹中労と琉球フェスティバル / 第二節 レコードと琉球フェスティバル
/ 第三節 ライブとレコードの間 / 第四節 レコードによる島うたの変容
III 近代を再編する つながる交通と映像
第五章 故郷の喪失と創造という物語-前近代と近代の間を写す
第一節 ローカル「新潟」への映像の普及 / 第二節 写真と今成無事平
/ 第三節 文字資料から読み解く今成無事平 / 第四節 演じる-社会の役割と芝居
/ 第五節 交通と盛り場 / 第六節 地主としての今成家 / 第七節 故郷の喪失と創造
第六章 コミュニティへの映像の沈着-写真館という装置
第一節 盛り場がつなげるもの / 第二節 地域社会と盛り場-小出町
/ 第三節 地域社会と盛り場-梁川町 / 第四節 地域社会と活字メディア
/ 第五節 地域文化を変奏する-変容エージェンシー / 第六節 小出の写真館の写真
/ 第七節 差別に宿る美意識
第七章 湊町にいがたの表通りと裏通り-交通・性・メディアの現場
第一節 飯盛女はうたう / 第二節 八百八後家の近代化 / 第三節 公式の世界での芸妓とメディア
/ 第四節 表現者としての芸妓-踊りを修練する市山流 / 第五節 妾をもちたいという欲望
/ 第六節 廃棄された生を生きる
IV 忘却される帝国と遍在する映像群
第八章 河と海を入れ替える-北前船から北洋漁業へ
第一節 語り得ぬもの、あるいは、語ることが難しいこと / 第二節 川と海のつながりの変容
/ 第三節 北洋漁業の誕生 / 第四節 略奪漁としての北洋漁業 / 第五節 出稼ぎ漁としての北洋漁業
/ 第六節 北洋漁業の現場 / 第七節 モビリティーの強度と反復
第九章 裸族の森へようこそ-世界のなかの海女
第一節 映像化された「海女」をどう捉えるか / 第二節 海女の写真をめぐる歴史的・地理的変遷
/ 第三節 志摩における海女の映画 / 第四節 御宿、外房における海女の映画
/ 第五節 ...
日常生活の映像をもとに、幕末から現在までの約160年をたどり、わたしたちのかけがえのない生を読み解く――
新潟で町や村の機関・組織・個人と連携、協力し、生活のなかにある映像を新たに発見・発掘、
調査してきた著者、15年の研究の集大成。
日常における映像を、自ら新潟大学「にいがた地域映像アーカイブデータベース」として構築。
デジタルアーカイブによって幕末から現在までの歴史をたどり、
成功者や勝者、あるいは敗者の物語ではない、消し去られてきたわたしたちの歴史を読み解く、
地域とメディアが織りなすダイナミックな社会と文化の過程を明らかにする嚆矢となる一冊。
第1部の第一章、第二章においては、映像メディアをどう日常生活のなかで問題にするのか、さらには、
そうした映像メディアをどう「移動論的転回」のなかに位置づけるのか、理論的な枠組みを問題にし、議論している。
第2部の第三章と第四章は、地域における定住者と一時漂泊者、漂泊者の構造を、
平時のなかでどうあるのかについて、奄美におけるフィールドから探ったものである。
第3部から第5部までは、新潟とその周辺の地域を事例にし、約160年の歴史を、映像メディアをもとに通史的に扱う。
第3部の第五章、第六章、第七章は、幕末から明治、大正にかけて、映像メディアが普及する初期の段階の問題を扱う。
第4部の第八章、第九章、第一○章は、戦前における総力戦体制下、映像メディアが社会のなかに普及するあり方、さらにはその心意に迫る。
第5部では敗戦後の日本社会においてどういった形で映像メディアが活用され、社会に位置づけられていったのか、その前提となる占領期の施策について述べたうえで、
石山与五栄門、中俣正義、角田勝之助の三人の映像制作者を中心にし、それぞれの違いから
映像メディアの多面性を明らかにした。
さらに、地域映像メディアとして、ローカル局のテレビ・ドキュメンタリーについても述べる。
第6部の第一六章、第一七章、第一八章では、デジタル映像アーカイブがもつ、
現在的な意味について、さまざまな観点から議論を行った。

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