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はじめての脳波トリアージ 2ステップで意識障害に強くなる

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【書評】
「ICUでの脳波判定が必要な神経内科医・救急医に必携の一冊」

間違いなく,本書『はじめての脳波トリアージ』は,これまでの脳波の本にはなかった新たなタイプの卓越したハンドブックであると断言できる.今まで評者は,市川忠彦先生著の『脳波の旅への誘い』(星和書店)が最良の脳波の入門書であると繰り返し公言してきたし,この本の価値は今でも揺るぎないものであると感じている.一方で,『はじめての脳波トリアージ』は,新たな時代の神経内科医・救急医が脳波を学ぶ場合,とくに集中治療室(ICU)で脳波を活用する際には,最良のハンドブックであるということが今回読ませていただいてわかった.

救急関連の学会でてんかん治療に関する講演を頼まれることが何度かあり,夜間に救急医が単独で,少なくとも発作時脳波を評価できるようになる程度まで脳波に習熟することは,学習のタイム・コストに比して割に合わない,無限に学ぶことがある救急医の時間をそのために使うのは非現実的だという話をしたことがある.多くの救急外来(ER)の現在の状況を考えると,専門医の応援が期待できない夜間・休日においてはとりあえず,けいれんを伴うてんかん重積の可能性がある症例はてんかんとしてトリアージし,動画撮影をしておいて,翌日に専門医のコンサルトを受けるというのが一番現実的な対処法ではないかと考えていた.

density spectral array(DSA)を用いた4分類でのトリアージという考え方は,脳波判読の経験のない救急医にとっても,最小の学習コストで「けいれんを伴うてんかん重積の可能性」を狭めることができるという大きなメリットがある.本書で強調されている,脳波には読み取り可能な二つの大きく異なった情報があるという考え方は,評者も学生さんに脳波の判読法を解説するときに,常々強調してきたポイントである.その二つの情報とは,背景波とてんかん性突発波だが,著者の音成先生は背景波をposterior dominant rhythm(PDR)に落とし込み,さらにそれをα律動へと限定し,DSAにおいて,10 Hz前後にPDRのバンドがあるかないかといった形で背景波の判定を絞り込む.評者はこれについても学生さんに,まずは背景のα律動が読めるだけでも明日から脳波を活用できるという話をしていたが,場合によっては脳波をまったく読めなくてもDSAでPDRのバンドの有無に注意を払うことで,あくる日に脳波判読ができる専門医にコンサルトするまで介入を待てる症例を救急医がより多く拾える可能性を本書は開いたといえる.しかも最後まで読むと,ICUで専門医として脳波を活用することを目指す先生方の使用にも十分耐えるような高度な学習ができる構成になっている.つまりその人の必要に応じて,学習のためのタイム・コストを調節できるリーダー・フレンドリーな構成になっているのである.

最後に少しばかり謝罪させていただきたいことがある.最近,脳波の電位マップツールで脳に色がつくのを悪用して,「こんなに色が赤いのは脳がめちゃくちゃになっているということです」と患者さんやそのご家族をだまして高額の自費診療費をとるクリニックがあるため,評者は「脳波に色がつく」ということに対するアレルギーをもっていた時期があり,本書をちらっとみて,「色がついた脳波の本だ!」と読みもせずに悪口を言ったことがあった(,...

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一見すると難しく,専門医の検査と思われがちな脳波について,チェックするポイントを2つだけに絞り,緊急性のある脳波のパターンを拾い上げて即座に治療方針を決める2ステップの判読法="脳波のトリアージ"をスッキリ学べる入門書.Antaa Slide Award 2021を受賞した著者が,背景活動×てんかん性の所見で脳波を切り分け,意識障害の鑑別を最速化する鑑別のコツを伝授.ICUでの強力な武器を身につけて,目指せ!デキるレジデント!

作品の情報

メイン
著者: 音成秀一郎

フォーマット 書籍
発売日 2024年02月09日
国内/輸入 国内
出版社南江堂
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784524232727
ページ数 226
判型 B5

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