90年代~00年代の音楽シーンに多大なる影響を与えたブリストル・サウンドの先駆者ポーティスヘッド。そのヴォーカリストとして知られるベス・ギボンスが初ソロ・アルバムをリリース!!
90年代~00年代の音楽シーンに多大なる影響を与えたブリストル・サウンドの先駆者、ポーティスヘッドのヴォーカリストとして知られるベス・ギボンズが、ソロ作品としては初となるアルバム『Lives Outgrown』を〈Domino〉からリリース。完成までに10年を要した本作は、アークティック・モンキーズ、デペッシュ・モード、ザ・ラスト・ディナー・パーティーらを手がけるジェームス・フォードとベス本人の共同プロデュース作品となり、トーク・トークのドラマー、リー・ハリスも制作に参加。
キャリアを通して最もパーソナルな作品となった『Lives Outgrown』は、ベスの言葉を借りれば「多くの別れ」を経たことで生まれたという。それは、家族との別れ、友人との別れ、そして過去の自分との別れだった。この先の未来は、以前思い描いていた景色と違う。そして過去は突然鋭く自分に問いかけてくる。ここに収録された10曲は、人生の半ばを迎えた今だからこそ生まれた楽曲だ。それでもベスは、変化と再生の10年間を経て、新たな目的を持つようになった。
ベス・ギボンズは、ポーティスヘッドとしてリリースした3作に加え、ラスティン・マンとのコラボ・アルバム『Out Of Season』や現代音楽の作曲家ペンデレツキと共演した『Henryk Gorecki: Symphony No. 3 (Symphony of Sorrowful Songs)』のほか、最近ではケンドリック・ラマーのアルバム『Mr Morale & the Big Steppers』に参加したことも記憶に新しい。
CDは通常盤とハードカバー仕様のデラックス盤の2形態が発売される。
発売・販売元 提供資料(2024/02/08)
ポーティスヘッドのベス・ギボンズが初のソロ・アルバムを完成させた。ベスとジェイムズ・フォードの共同プロデュース、トーク・トークのリー・ハリスが制作で参加という体制で作られた本作は、遊び心と探求心で満ちあふれる作品だ。パエリア皿や牛革の水筒などを楽器として使い、聴き馴染みがない音色を鳴らす。タイムレスな滋味を纏うベスの歌声も印象的だ。厭世的情動の海に、前へ進もうとする一筋の光が差したような言葉を紡ぐその歌声は、これまでの人生で味わってきた苦さと甘みを漂わせる。そんな本作を聴くと、ベスの頭の中を覗き見するような感覚に襲われる。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.486(2024年5月25日発行号)掲載)