プログレ・ファンには最初期MAGMAへの貢献で知られており、MAGMA脱退後の'73年以降はジャズ/ファンク/ワールド・ミュージック/エクスペリメンタル/ライブラリーまでノンジャンルなアーティストとしての道を極めてきた、フランス出身のマルチ・ミュージシャン:Teddy Lasry。これまで長らく再発が望まれていた、彼のソロ作品の中でも知名度の高い'76年リリースの代表作『E=MC2』が満を持してドイツ:MIG-Musicより初CD化!
作品ごとに異なるアプローチを行なう事で自身の表現の限界を推し量ってきた彼ですが、本作においてはジャケット・アートの通り広大な宇宙空間/遠く離れた星をテーマに、自身のARPシンセ/シーケンサー/エレクトロニクスの多重録音をメインとしたコズミック&ミニマルな電子音楽を全面的に展開。同時期のジャーマン・エクスペリメンタル・ミュージック勢との近似も窺えつつも、本作では更にメランコリックなピアノ/清々しいマリンバの打音など体温を感じさせるヒューマンな響きも適度に配されており、ベルリン・スクールとニューエイジの架け橋とも云えそうな内容です。一部楽曲ではかのJannick Top(b)、そしてAndre Ceccarelli(drs)とTROCのリズム・セクションを司った名プレイヤーを迎え入れており、特に2曲目の"Quasar"終盤ではその立体感覚に富んだ柔軟なベースとキメに決めまくるドラムスによる凄まじく高品質なスペース・ジャズ・ロックを披露!それまでの流れから一転して、Andreも交えたパーカッシブな演奏とTeddyによる狂乱のソロでオトす強烈なエスノ・ジャズナンバー"Nonsense"~"Life"も面白み十分!MAGMAファンのみならずアンビエント/エレクトロニクス/ジャズ・ロックフリークの方々は必携の名作!
発売・販売元 提供資料(2024/01/17)
人肌の宇宙。最初期MAGMAやMAGMA脱退以降のジャズ/ファンク/ワールド・ミュージック/エクスペリメンタルな音楽性はジャーマン・エクスペリメンタル・ミュージック勢との共振も伺えたフランスのマルチ奏者:Teddy Lasry。メランコリックなピアノやマリンバの打音など体温を感じさせる人肌も感じる多重録音エレクトロニクスな76年大名盤。ジャケット通り、宇宙空間や遠星をテーマに、自身のARPシンセ/シーケンサー/エレクトロニクスを駆使したコズミック&ミニマルな電子音楽を全面的に展開。ええやんええやん。
intoxicate (C)黒田"ハイプ"朋規
タワーレコード(vol.169(2024年4月20日発行号)掲載)