RCサクセションと同じく清志郎ソロもベスト的コンピが複数存在するが、本作は＜ロックンロール＞のコンセプトで通常のベスト盤には収録されにくい楽曲を選びつつ、入手困難楽曲を救出する目的を兼ね備えた画期的コンピ!まさに「キレル奴」!
「JUMP」「激しい雨」「デイ・ドリーム・ビリーバー」らの有名曲を要所に配置しつつ、RC以降の多岐にわたる別名義モノなどレア曲を多数収録、ソロ名義に留まらない清志郎の創作面での圧倒的バイタリティを伝える。注目は何と言ってもジョニー・ルイス&チャーとコラボしてのアニメサントラ『県立地球防衛軍』(1986)収録の「プライベート」。後に2・3'S名義でシングル化された清志郎王道の解放感あるロックチューン。サントラ『県立地球防衛軍』は諸事情によりCD化が困難なこともありオリジナルLPがプレミア化しているため本作への収録はいい仕事!さらに加部正義ソロアルバム『COMPOUND』(1985)に作詞/作曲/ヴォーカルで参加した「非常ベルなビル」はサイケ感覚も湛えたジミヘン的骨太ロック!清志郎のシャウトも一曲入魂の気合を感じさせる!コラボもので貴重かつ良作は他にもアリ。手塚治虫トリビュート盤からアニメ「少年マルス」EDカヴァーは清志郎によるカヴァーの成功例として矢野顕子「ひとつだけ」に匹敵する好トラック。原曲の"清志郎化"っぷりが見事。また藤沼伸一のプロジェクトに参加し反戦を真っ向から歌った「ジライヤ」も清志郎が発し続けた平和へのメッセージの表れた一連の楽曲として注目したい。
さらにさらに、諸事情で当時インディーズ流通で発売され再発は不可能と言われている問題作『不死身のタイマーズ』(1995)からもまさかの選曲(「ゴミ」を収録)。また、当時所属のレーベルからのリリースが頓挫しインディーズでリリースされた「君が代」もコンピ初収録。活動の自由度が高く、網羅しきれないくらい多作なラフィータフィー期の補完にも本作は強い味方。日比谷野音ライヴパンフレット付属CD収録、藤井裕のベースがアグレッシヴなアップ「ジャングルジム」、著書『瀕死の双六問屋』(2000)付属CDのみに収録のユーモラスなフォーキー「フリーター・ソング」、シングル『水の泡』(2001)にのみ収録だった臨場感溢れるライヴ音源「Sweet Lovin'」は清志郎のラフなエレキギターソロのやんちゃさがイイ!カルメン・マキへの提供曲のセルフカバーでホームレコーディング的歌声の近さがゾクゾクくる「ムーンビーチの砂の上」はファンクラブ更新特典CDからの選曲。覆面バンドLOVE JETSからはオリジナルアルバム未収録かつ『地球ノミナサンコンニチハ～LOVE JETS ANTHOLOGY～ 』(2022)にも未収録のシングルカップリング「宇宙ベイビー」を収録。本コンピで、この流れで聴くと実に清志郎王道ソングであると気付く。その意味では『KING Deluxe Edition』(2022)で発掘された未発表曲「ジグソー・パズル」も同様でこのコンピに収録されることで今後もっと愛される楽曲に育つであろう、きっと。
(1/2)

タワーレコード （2024/04/12）

ソロ期は、その多岐に渡る活動からRC期よりも奔放で、音楽的にも幅広い選曲になっているが、本コンピのコンセプト＜ロックンロール＞はしっかり貫かれており、イアン・デューリーのバック、ブロックヘッズとの英国録音1st『RAZOR SHARP』からの「RAZOR SHARPキレル奴」「BOO BOO BOO」。憧れのブッカー・T&ザMG'ズとの米国メンフィス録音2nd『Memphis』からの「カモナ・ベイビー」。シャープな英国ロックとおおらかな米国ソウルの対比も面白い。さらに時期的には"幻のソロ2nd"といえる小原礼との88年米国LAセッションの未発表音源から生まれた『Baby#1』(2010)からは、ローリング・ストーンズタイプのリフが効いた「KI・MA・GU・RE」(沢田研二『彼は眠れない』(1989)に提供。)3コード基調のオーソドックスなR&Rにも清志郎印が押されたオリジナリティに溢れている良曲が。梅津和時とのコラボDANGER名義での「あの娘とショッピング」、ザ・タイマーズの「宗教ロック」、2・3'sとの「カラスカラス」では、ユーモアあふれる歌詞を、あの声でビートに乗せていくパフォーマンス..清志郎一流の言葉アソビが次々キモちよくはまっていく様は、まるで瞬間的にソングライティングしているかのようで"これぞロックンロールの醍醐味"と言えるもの。
そして、最後に配置されたのは、ザ・ビートルズのカヴァーアルバム『抱きしめたい』(1988)から清志郎とチャボによるアコースティック・デュオ編成での「Don't Let Me Down」。特別な二人の特別な音源で幕を閉じる...本コンピ、音源だけでなくパッケージも秀逸!ローリング・ストーンズ公式カメラマンである有賀幹夫氏が撮影した写真をふんだんに使用。その写真を尊重してパッケージ本体に楽曲クレジットをいれない作りにもこだわりを感じさせる。どのショットも清志郎の姿を通して＜ロックンロール＞の美学が現れたここぞの瞬間を切り取っていて息をのむ!
(2/2)

タワーレコード （2024/04/12）

＜RCサクセションと忌野清志郎のロックン・ロールをコンパイルしたコンピレーション・アルバム、その名も『ロックン・ロール』の発売が決定!RCサクセションと、忌野清志郎ワークスの2つフェイズに分けた選りすぐりのBeat, Groove and Alternateなセレクションです!＞

世界的ロック写真家 有賀幹夫氏の撮影した写真を中心に構成した豪華ブックレットも付属する各2枚組の今作は、「NO!」と言い続ける若者の背中を押し、気づかないうちに「YES」と言うようになってしまった大人たちを目覚めさせる、最高に劇的なロックン・ロール・アルバム。

《忌野清志郎盤》には、加部正義のアルバム『COMPOUND』に収録の「非常ベルなビル」、単行本『瀕死の双六問屋』に付録としてついていた「フリーター・ソング」、アルバム「KING DX Edition」やEP、配信のみのリリースだった「ジグソー・パズル」、2018年の日比谷野音パンフレットに付属した「ジャングルジム」、手塚治虫トリビュート・アルバムに収録された「少年マルス」などなど。

どちらのアルバムとも、王道の代表曲はもちろんのこと、「そうくるか!」と思わず叫んでしまう絶妙な選曲、今までベストアルバムに収録されなかったレア・トラックを収録。

入門者もマニアにとってもマストアイテムとなるコンピレーション2作の誕生です!

発売・販売元 提供資料 （2024/01/10）

RCサクセションと忌野清志郎のロックン・ロールをコンパイルしたコンピレーション・アルバム、その名も『ロックン・ロール』の発売が決定!RCサクセションと、忌野清志郎ワークスの2つフェイズに分けた選りすぐりのBeat, Groove and Alternateなセレクションです!≪忌野清志郎盤≫には、加部正義のアルバム『COMPOUND』に収録の「非常ベルなビル」、単行本『瀕死の双六問屋』に付録としてついていた「フリーター・ソング」、アルバム「KING DX Edition」やEP、配信のみのリリースだった「ジグソー・パズル」、2018年の日比谷野音パンフレットに付属した「ジャングルジム」、手塚治虫トリビュート・アルバムに収録された「少年マルス」などなど。どちらのアルバムとも、王道の代表曲はもちろんのこと、「そうくるか!」と思わず叫んでしまう絶妙な選曲、今までベストアルバムに収録されなかったレア・トラックを収録。 (C)RS

JMD （2024/01/11）