山口美央子のオリジナル・アルバム『トキサカシマ』『FLOMA』『フェアリズム | FAIRYTHM』の3タイトルが待望のアナログ化!
1stアルバム『夢飛行』、2ndアルバム『NIRVANA』、3rdアルバム『月姫』、そして作曲家としての提供曲の中からそれぞれ3曲ずつをセレクトし、自らリアレンジしたセルフ・カバー集。
瑞々しい感覚で新たな彩りを加え、独特の世界観を更に突き詰めることによって別の姿へと鮮やかに生まれ変わった全10曲を収録。
前作『トキサカシマ』の「恋はからげし夏の宵 / Ton-Ten-Syan」で完結を迎えた"和風三部作"。
そのひとつである「さても天晴 夢桜」が絢爛豪華に変貌を遂げてオープニングをきらびやかに飾る。
琵琶、琴、刀剣、声明、馬の駆ける音など、効果的に配された音色がストーリーを驚くほど具現化し、緊迫感を演出。
日本産アンビエント・ポップとして海外からも人気の高い「白昼夢」は更なる美しさと静謐感を纏ったアンビエントへと深化。
穏やかな光のようなシンセの音が恍惚の空間を作り上げ、聴く者を徐々にそして確実に包み込んでいく。
「月姫 (MOON-LIGHT PRINCESS)」は情感込められたピアノとチェロの交差が胸に響くバラードと生まれ変わり、メランコリックかつ幻想的な世界を描き出す。
歌詞を"今"に合わせてアップデートした「いつも宝物 宝島ver.」はどこか異次元な雰囲気を醸し出しながら、近未来を浮遊する洗練されたポップスとなっている。
そして、アラブ~エスニックのリズムとメロディー、印象的な笛の音が摩訶不思議な世界へと誘う「NIRVANA new ver.」。
異国情緒溢れる空気感とマリンバの音色が懐かしさと温かさを漂わせる「チャンキー・ツアー NEW YORK ver.」。
軽やかながらもスケール感あふれるシンセ・サウンドとしなやかなグルーヴがどこまでも心地良いダンス・チューン「いつかゆられて遠い国 new ver.」。
"和風三部作" のもうひとつ「お祭り」は"妖気" をコンセプトに太鼓と琴をフィーチャー、祭囃子とシンセをダイナミックに融合した独自のテクノへと姿を変えた。
ラストはシンセとピアノが厳かで神秘的な「夢飛行 new ver.」から、世界初のMIDIオルゴール"CANADEON"を使用した「夢飛行 A DREAM OF CANADEON ver.」へと続き、本編は静かに終りを告げる。
発売・販売元 提供資料(2023/12/27)
近年、世界的な再評価を得ている初作『夢飛行』、2作目『NIRVANA』、3作目『月姫』の3枚から3曲ずつを取り上げたセルフ・カヴァー集。オリジナルの世界観を継承しながら現在の視点でよりエレクトロニックなアレンジへと変貌させており、特にフュージョン志向の強い『NIRVANA』の楽曲を正統派テクノ・ポップに仕立てた絶妙な采配が素晴らしい。ボートラとして斉藤由貴"終りの気配"など提供楽曲のカヴァーも収録。
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.430(2019年8月25日発行号)掲載)