UKロックの絶対的王者=Kasabian(カサビアン) 通算8作目のアルバム『Happenings』
2ndアルバム以降、6作連続で全英1位獲得している現代UKロックの絶対的王者=カサビアンの、通算8作目のアルバム『Happenings』。アルバムからの先行曲「コール」は、カサビアンの真骨頂とも言える、疾走感溢れるダンス・ロック・トラック。サビではエネルギーが爆発する、フロアを揺るがすような、エレクトロニックでカサビアンらしい楽曲に仕上がっている。「君から電話来るのが好き」という歌詞に合わせ、スマホが飛行機から落ちていく様子を捉えた、躍動感満載のミュージック・ビデオも必見だ。楽曲について、サージ(Vo.)は以下のようにコメントしている。「この曲は発射台だ。ヴァースは静かめで、サビは激しいーダンス・ミュージックなんだ!最初のセクションは、準備をしている段階で、次のセクションではとにかくクレイジーになる。ものすごく楽しいし、今とてもしっくり来る。この曲が完成したとき、とにかくライヴに行きたいという気持ちになった。アルバム全体もそういうメンタリティーで作ったんだ」。
2004年の衝撃的デビュー以来、次々とヒット作を連発し、UKのゼロ年代ロック・シーンのトップに君臨し続けるカサビアン。2020年にヴォーカルのトム・ミーガンの脱退を発表し、バンドのギタリストでありソングライティングやプロダクションを手掛けていたサージ・ピッツォーノがフロントマンに躍り出る形で、新体制へと生まれ変わった彼らは、激動と変化を乗り越え、2022年にアルバム『ジ・アルケミスツ・ユーフォリア』で完全復活を遂げた。同年の<ソニックマニア><サマーソニック>ではサポート・メンバーにザ・ミュージックのロブ・ハーヴェイを迎えた圧巻のステージも話題となった。今年7月6日には、約10年振りに地元レスターのヴィクトリア・パークで、超大型屋外ライヴ<Summer Solstice II>を開催することが決定しているカサビアン。今後の動向から目が離せない。
発売・販売元 提供資料(2024/03/01)
サージ・ピッツォーノをフロントに据えた新体制での2作目にして通算8作目。これは新境地ではないだろうか。クリーン・バンディットやイヤーズ&イヤーズなどで腕を揮うマーク・ラルフを共同プロデュースに迎えた制作体制からも狙いは窺えるが、ブライトで享楽的なダンス・ポップをノリノリで鳴らしている。ボブ・サンクラー"Love Generation"を思わせるラテン・ハウス調の"Darkest Lullaby"、テーム・インパラのお株を奪うサイケ・ディスコ"Coming Back To Me Good"、シンガロング必至のポスト・パンク"Italian Horror"などからは多幸感がだだ漏れしていて……とにかく明るい!
bounce (C)田中亮太
タワーレコード(vol.488(2024年7月25日発行号)掲載)