引く手数多の若手ヴィブラフォン奏者がブルースを新解釈。
NYジャズ・シーンを牽引する要注目のヴィブラフォン奏者=ジョエル・ロスによる、ブルーノート4枚目のリーダー作。コロナ禍にニュースクール音楽院で学んだブルースの精神を新解釈し、お馴染みのクインテットに、前作にも参加したフルートのガブリエル・ガロも加えて作り上げた本作。マレットを片手に1本ずつ持って演奏する王道なシンプル奏法だが、ルーツがドラムということもあり、打楽器の力強さを感じさせる時もあれば、ヴィブラフォン特有の幻想的な音色を活かしたタイトル曲(7)のようなスピリチュアルな雰囲気を優しく醸し出すなど、繰り出す音像は無限。今後も目が離せないプレーヤーです。

タワーレコード （2024/03/29）

高い評価を得ているヴィブラフォン奏者、ジョエル・ロスのブルーノート4枚目。

現代で最もクリエイティヴなモダン・ジャズ・グループによる、ジョエル・ロスのプリズムを通したブルースとバラード作品。
アルト・サックスのイマニュエル・ウィルキンス、ピアノのジェレミー・コレン、ベースのカノア・メンデンホール、ドラムのジェレミー・ダットン、そしてスペシャル・ゲストとしてフルートのガブリエル・ガロが参加している。この10曲には、ロスのオリジナル曲7曲のほか、ジョン・コルトレーン(「equinox」、「central park west」)、セロニアス・モンク(「evidence」)の楽曲も収録。

本作品の起源は2020年に遡る。コヴィッド・パンデミックの最中、ライヴ・パフォーマンスが閉鎖されたため、ロスは学位を取得するためにニュー・スクールに戻った。アルト・サックス奏者のダリウス・ジョーンズが教えていた授業のひとつで、彼は学生にブルースの歴史を掘り下げるよう促した。それでロスは、ブルースとはどういうものなのか、単なる12小節の形式ではないのだと思い知らされた。「精神やエネルギーのようなものだ」とロスは言う。「感情であり、表現なんだ。でも、私たちがすでに発展させてきたリズムのアイデアに忠実でありたいとも思っている」。

アルバムのリード・シングルとしてリリースされているタイトル曲「nublues」は、ブルースの精神とフリー・ジャズの奔放さを融合させている。「私はバンドにどう演奏するかは指示しない」とロスは言う。「僕が彼らに言っているのは、常につながっていること、そして僕らがやることすべてを互いに関連させることだ。そして、それがどうであれ、ブルースを演奏することだ」。

このLPで何を伝えたいのかと聞かれると、ロスは躊躇する。「私の個人的な体験が、人々がそれを体験しているときに考えていることであってほしくないのです」と彼は言う。「音楽を聴きに来て、自分のレンズを通して解釈してほしい」とコメント。ブルースについて学び、ブルースの歴史を理解し、このバンドのサウンドとバンド構成を発展させることに集中する旅を楽しんだという。「私にとっては、あらゆる情報に触れ、それがどうあるべきかを見極める旅だった。それは常に続いている。これまでと同じことを続けてきて、それがどのように変化してきたかを知るためのスナップショットなんだ」ともコメント。

〈パーソネル〉 Joel Ross (vibes,p) Immanuel Wilkins (as) Jeremy Corren (p) Kanoa Mendenhall (b) Jeremy Dutton (ds) Flute: Gabrielle Garo (fl)

発売・販売元 提供資料 （2024/01/11）

Some jazz albums immediately pull you deep within their calm atmosphere. Thats just what vibraphonist Joel Ross does on his intimately rendered fourth Blue Note album, 2024s nublues. A follow-up to 2022s The Parable of the Poet, nublues finds Ross settling into a warm set of originals and standards alongside his group, featuring longtime associate alto saxophonist Immanuel Wilkins, pianist Jeremy Corren, bassist Kanoa Mendenhall, drummer Jeremy Dutton, and guest flutist Gabrielle Garo. The opening "early" is a shimmering tone poem in the vein of 70s ECM albums where Ross and Wilkins intertwine in a cascade of harmonies that have the hushed feeling of a rainy Sunday morning. The song flows directly into a slowly swaying take on John Coltranes classic modal piece "Equinox." Its an organic blend, mixing Ross original compositions with his deep jazz influences and perfectly setting the tone for the rest of the album. From there, we get the original "mellowdee," a roiling, mutable song that starts out like one of Coltranes fiery 60s invectives, rife with skronky asides from Wilkins, before it ebbs into a mid-track dreamscape of breathy bowed bass and moaning, lyrical piano arpeggios. Elsewhere, we get the classical and gospel intimations of "bach (God the Father in Eternity)" and the driving swing of "ya know?," the latter of which brings to mind the kinetic 80s post-bop of artists like Terence Blanchard and Branford Marsalis. Ross rounds out the session with two vibrant covers, including a shadowy, off-kilter take of Thelonious Monks "Evidence" and a dewy, after-hours reading of the John Coltrane ballad "Central Park West." Those last songs nicely underscore the vibraphonists thoughtful, entrancing distillation of blues and ballads at play throughout all of nublues. ~ Matt Collar

Rovi