現代R&Bからの影響も消化した最高峰のラウンジポップ。
素晴らしい。ステレオラブと共にシーンに実験的なポップミュージックを取り入れた先駆者。実に9年振りとなる通算11作目は〈DRAG CITY〉から。現代のブライアン・ウィルソンとも称さられる箱庭ポップは相変わらず、本作ではSZA、スティーヴ・レイシー...現代R&Bからの影響も受けたと公言する通りメロウでロマンティックな質感もあり。幻想的なザ・ハイ・ラマズ・ワールドへと誘う(1)ロマンティックなオーケストラポップからエレクトロポップへと移行していく(2)盟友ボニー・プリンス・ビリーを迎えた大人のポップミュージック(5)...ポップミュージックの新たな可能性とも言える新境地へたどり着いた円熟期の大名作。
タワーレコード(2024/05/10)
プロデュースを手掛けたコーラル『Sea Of Mirrors』での仕事も見事だった音の魔術師、ショーン・オヘイガン。彼が率いるハイ・ラマズの8年ぶりとなるアルバムは、現代のR&Bやヒップホップから影響を受けたという内容で、ショーンのいつも以上にソウルフルな歌声も聴きどころだ。彼が敬愛するビーチ・ボーイズの『Wild Honey』や『Friends』に通じる好盤。
bounce (C)赤瀧洋二
タワーレコード(vol.488(2024年7月25日発行号)掲載)