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フォーマット LPレコード
発売日 2023年12月01日
国内/輸入 輸入
レーベルLegere
構成数 1
パッケージ仕様 -
規格品番 LEGO283VL
SKU 4026424012098

構成数 : 1枚

  1. 1.[LPレコード]

作品の情報

メイン
アーティスト: Emm Gryner

商品の紹介

デヴィッド・ボウイのバンドに鍵盤で参加した経歴を持つカナダの才媛。この新作は、マイケル・マクドナルド時代のドゥービーズっぽいAORからマーサ&ザ・ヴァンデラス風のモータウン・ビート、ラウンジーなジャズ・ボッサなど多様なスタイルを軽快に跨いでいく機敏なフットワークが作品の風通しを良くしていて、聴き心地抜群。ボビコー〈風のシルエット〉のカヴァーも◎。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.474(2023年5月25日発行号)掲載)

メンバーズレビュー

2件のレビューがあります
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これ以上掘っても何も出ない、ゴールド・ラッシュ終焉後の選択肢は2つある。埋もれている鉱物の採掘か、新たな鉱脈の発掘か。前者に取り組んでいるのが”Big Pink”で、後者を進めているのが”P-VINE”だ。それぞれ得意とする分野は違うが、どちらもレアな作品中心に、CDとして届けてくれる点で共通している。
とりわけ”P-VINE”は、個人的な印象として、日本で”AOR”に分類される都会的でエッジの効いた新鋭アーティストを多く取り上げていて、70年代後半から80年代にかけて確立されたコンテンポラリー・サウンドのフォロワーたちが創る”現在進行形”のプロトタイプが目につく。もちろん、音楽性はそれぞれ違っているのだが、ルーツやDNAを受け継ぎ、共有している分、トーンやベクトルは類似している。どれを選択するかは個人の”好み”の問題だ。
さて、本作が自分にとって大きな収穫であることには違いない。シックなモノクロのジャケットだが、内容はカラフルで充実している。同類の作品同様、洗練されたスマートでスタイリッシュな空気を引き締めるように、歌唱は”攻撃的”だが、そんなアグレッシヴさが耳に心地よい。あくまでも個人的な”印象”だ。
本作にはムラがない。タイプの異なる楽曲で構成されているが、どれもしっかりと作られていて、少しも手を抜いていない。いわゆる”棄て曲”がないのだ。これも個人の”好み”だが、例えば、スティーリー・ダンを意識し過ぎて複雑なコード進行を多用したり、玄人受けを狙った難解な仕掛けを施したりせず、ストレート主体のピッチングに徹している。
唯一の問題はラスト2曲だ。
おそらくアルバムの本来の終演は「REAL LOVE」だろう。曲の入りからしばらくは、この曲がドゥービー・ブラザーズのカヴァーとは気づかなかった。カーペンターズの「涙の乗車券」のように全く別の切り口で仕上げられているが、原曲の持つリアルな雰囲気は損なわれていない。個人的には素敵なサプライズだった。
あとに続く2曲はコメントが難しいので、ここまでとしたい。ある意味、”別物”として聴きたい。
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