2作連続でARIAミュージック・アワードを受賞したメルボルンをベースとするサイケデリック・ジャズ・グループ、マイルドライフ。膨張と収縮を繰り返す宇宙のダンス、待望のサード・アルバム『コーラス』がリリース。
地元オーストラリアでARIAミュージック・アワードを2度受賞したMildlifeは、Heavenly Recordingsより待望のサード・アルバム『Chorus』をリリースする。
2020年の『Automatic』、2017年の『Phase』に続く『Chorus』は、Mildlifeにとって最も楽観的なアルバムであり、70年代のサイケデリックでコズミックなサウンドへの揺るぎない憧れを音で証明する作品となっている。さらに深く掘り下げると、アルバムには、ポーランド・ジャズ、イタロ・ディスコ、そしてコンテンポラリーなエレクトロニック・サウンドも散りばめられている。
『Chorus』は、膨張と収縮を繰り返す宇宙のダンスだ。そのグルーヴは永遠に、そして常に循環し、進化し続ける。このアルバムは、Tomas Shanahanのベース・ライン、Adam Halliwellの輝くギター・リフ、Kevin McDowellの静かで魅惑的なヴォーカル、Jim Rindfleishの複雑なパーカッシブ・タペストリー、そしてレギュラー・コラボレーターであるCraigShanahanのスピリチュアルなリズムに包まれている。『Chorus』に巻き込まれると、個人とアンサンブルの境界線が曖昧になる。バンドの以前のアルバムでは、McDowellの声が歌詞の主役だったが、『Chorus』ではメンバー全員が表現の瞬間を持つ。そのため、コーラスのヴィジョンが際立ち、彼らのサウンドに新たな統一された開放性と人間性を築き上げられた。『Chorus』は、個々のトラック、バンド・メンバー、経験から生まれたアルバムかもしれないが、その総和以上のものである。『Chorus』のリリースにより、バンドは再びリズムのコミュニケーションという特異な領域への扉を開いた。その流れに足を踏み入れてみよう。
発売・販売元 提供資料(2024/01/16)
メルボルンを拠点に活動するマイルドライフは、グルーヴを自在に操るサイケデリック・ジャズ・バンドだ。その技巧はこのサード・アルバムでも輝きを放っている。ポリリズムを駆使した複雑なビートのみならず、イタロ・ディスコを彷彿させるいなたさが漂うリズムも刻む。彼らの音楽は便宜的にジャズと形容されがちだが、パーカッションやシンコペーションが映えるベースを聴くと、豊富な音楽的引き出しを備えたバンドであるのがわかる。ゆえに本作は、ベッドルームで一人聴くも良し、大切なパートナーとのドライヴのBGMとして流すも良しという順応性抜群のポップソング集に仕上がった。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.483(2024年2月25日発行号)掲載)