テクノの歴史に燦然と輝く偉人モーリッツ・フォン・オズワルドの新作が独トレゾアから登場。クワイアの肉声とミニマル・ミュージックのストラクチャーの精緻な融合が作り出す実験的でありながらも息をのむほどに美しく魅力的な未知の音世界にただただ驚嘆。
モーリッツ・フォン・オズワルドは元パレ・シャンブルグ、90年代以降はクラブ・ミュージックの世界で数々の伝説(3MB、ベーシック・チャンネル、リズム&サウンド…)を作り上げてきたレジェンド。その単独名義では意外にも初となる作品がベルリンの名門Tresor Recordsから登場。フォン・オズワルドがEMSやオーバーハイムなどのヴィンテージ・シンセを使い作曲した曲をベルリン在住のフィンランド人音楽家ヤルコ・リーヒマキが譜面に起こし、それをドイツ屈指の声楽アンサンブル「ヴォーカルコンソート・ベルリン」が歌い、その録音をオズワルドがアレンジし作り上げたというアルバム。クワイアの肉声と合成音、ミニマル・ミュージックのストラクチャーの精緻な融合が作り出す実験的でありながらも息をのむほどに美しく魅力的な未知の音世界にただただ驚嘆。近年もトニー・アレンやローレル・ヘイローとコラボするなど精力的な活動を続けているドイツ音楽界の至宝、そのアイディアや創造性がまた新たなかたちで炸裂したフューチャー・クラシックス!
発売・販売元 提供資料(2023/11/08)
エレクトロニック・ミュージック史に偉大な足跡を残してきたモーリッツ・フォン・オズワルドのソロ・アルバム。リゲティ・ジェルジュやオリヴィエ・メシアンあたりの現代音楽を彷彿させる電子音は精巧。耽美的音像は艶やかさを醸しながら、聴き手の耳を蕩けさせる。テクノを筆頭に、さまざまなジャンルに影響を与え続けている創造力は衰え知らずだ。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.481(2023年12月25日発行号)掲載)