デビューから'22年のフェアウェル・ツアーまでKAYAKの中核としてバンドを牽引し続けてきた、オランダのプログレッシブ・ロックシーンを代表する名キーボード奏者:Ton Scherpenzeel。元々テレビ番組「Conquer The Arctic」のサウンドトラックとして制作され、後に彼の別名プロジェクトORION名義にてオランダのレーベルVia Novaより'91年にリリースされていた作品が'23年オランダ:OOBより再発!
いくつかの楽曲が今回の再発を機にリアレンジが施されており、また新曲となる'Departure''Arrival'を新たに本編をサンドイッチする形で追加収録した、正に決定版的再発となっております。KAYAKを更にアコースティカルに仕上げた様なポップス/メロディック・ロックというのが彼のソロ作品の基本軸ですが、本作ではガラリと変わりTonによる多重シンセサイザー演奏のみで構成された、ジャケット・アートに描かれた白銀の世界を眼前に映し出したかの様なネイチャー志向のエレクトロ・ミュージックが全編に亘って展開されております。
当時別名義でリリースされただけあって、他のソロ作やKAYAKの作風/流れとは異なる立ち位置にあるそのアンビエント/ニューエイジ/メディテーショナル・ミュージックはファンであっても驚かされる内容ですが、そういった雰囲気重視の内容の中でも、KAYAKに通じる優しく包み込むようなメロディーがぼんやりと現れては消えてゆく場面も多々見受けられ、特に'Snowscape''Frozen Air'などはっきりとした旋律が提示された楽曲では、正にエレクトリック・KAYAKとも形容出来そうな格調高いクラシカル&シンフォニック・サウンドが高らかに鳴り響くなど、起伏を持たせたアルバム構成も素晴らしい、KAYAK/メロディック・ロックファンは要チェックといえる秀作となっております!
発売・販売元 提供資料(2023/11/10)