現在世界でも群を抜いて熱く、泥臭く、鋭く尖っている古き良きポストパンクバンドに成りえたといっても過言ではないIDLESのアルバム「TANGK」のプロデュースに携わったのは誰もが一度は名を聞いたことがあるであろうナイジェル・ゴッドリッチ(レディオヘッド、ポール・マッカートニー、U2)に加え、ケニー・ビーツ(エド・シーラン、デンゼル・カリー、ヴィンス・ステイプルズ)という豪華すぎる二人組+ライブでの熱狂的すぎるパフォーマンスとは裏腹に元歯医者というインテリジェンスな一面も持ち合わせるIDLESのギタリストであるマーク・ボーウェンによる計3人。この3人の共同プロデュースによって産み出された『TANGK』は彼らアイデンティティともいえるであろう反抗的すぎるが故にラディカリズム溢れるエンパワーメントに加え、これまでリリースしてきたアルバムとは一味違うどこかシニカルでポップな感覚が共存する唯一無二で極上な仕上がりとなっている。現代における労働者階級の代弁者の顔は彼しかいないと脱帽させられてしまうほどにフロントマンであるジョー・タルボットの歌声からは鍛え抜かれた力強い魂の匂いが色濃く感じられ、聞いているうちに心の中に熱い炎が燃え上がることは間違いない11曲達。先行シングルとしてリリースされている「 DANCER 」にはLCD Soundsystemのジェームズ・マーフィーとナンシー・ウォングがヴォーカルで参加!
発売・販売元 提供資料(2023/11/20)
グラミーにもノミネートされた『Crawler』から2年、ブリストルのポスト・パンク・バンドが早くも5作目となるニュー・アルバムを完成! ナイジェル・ゴッドリッチとケニー・ビーツを共同プロデューサーに招いた今回は、衒いなく世界に愛を捧げる内容に。そんな目線の変化を引き起こしたのは世界の悲惨な状況なのか、本人たちの成熟なのか、その狭間をパワフルな演奏が吹き抜ける。
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タワーレコード(vol.483(2024年2月25日発行号)掲載)