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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2023年10月24日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 岩波書店 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | 新書 |
| SKU | 9784004319917 |
| ページ数 | 270 |
| 判型 | 新書 |
構成数 : 1枚
はじめに
第一章 一般観念説という袋小路
1 どうして言葉は新たな意味を無限に作り出せるのか
新たな意味の産出可能性という問題
言語は有限の語彙と文法からなる
2 「猫」の意味は何か
「富士山」と「猫」
指示対象説
3 個別の猫と猫一般
太郎は「猫」の意味が分からない
個別性と一般性のギャップという問題
4 心の中に猫の一般観念を形成する?
「猫」は猫の一般観念を指示するという考え
批判その1――一般観念とは何か
批判その2――一般観念説はコミュニケーションを不可能にする
批判その3――観念もまた個別的でしかない
どこで引き返せばよかったのか
第二章 文の意味の優位性
1 私たちはただ対象に出会うのではなく、事実に出会う
『論理哲学論考』の出だし
語の意味から出発するのではなく、文の意味から出発する
2 語は文との関係においてのみ意味をもつ
要素主義
銘記されるべきは、完全な文の全体
3 文と事実の関係
文は事実の名前か
言葉と世界の基本的関係は真偽
4 述語を関数として捉える
「……は猫だ」の意味
命題関数
曖昧な述語
関係述語
命題関数を考えるメリット
命題関数と文脈原理
5 固有名の意味と文脈原理
指差して名づければ指示対象が定まるというわけではない
名前を尋ねることができるために、何を知っていなければならないのか
6 新たな意味の産出可能性の問題に答える
やっぱり要素主義の方がいい?
そんなことはない
積み木とレゴブロック
「猫はよく寝る」と「猫が寝ている」
「猫が富士山に登った」
7 合成原理
語の意味から文の意味へ
合成原理と文脈原理は矛盾している?
子どもの言語学習
第三章 「意味」の二つの側面
1 文の「意味」
驚くべき帰結
「意味」の意味
2 指示対象と意義
外延と内包
外延と内包という考え方を拡張する
文の意義
述語の意義
3 固有名の意義
同一性を主張する文の謎
信念文の謎
私はフレーゲの解答についていけない
フレーゲ的枠組
第四章 指示だけで突き進む
1 日本の初代大統領は存在する?
指示対象が存在しない固有名は無意味か
「日本の初代大統領」という表現は無意味か?
フレーゲの解答
ラッセルの解答
2 記述理論
定冠詞"the"の意味
もうなんでもかんでも存在すると言わなくていい
確定記述と記述理論
3 本当の固有名
同一性問題と信念文の問題への応答
それは本当に固有名なのか
固有名と述語
「これ」
本当の固有名を巡る問題と解答
4 文の意味と命題
文の指示対象
命題はそれを判断する人が構成する
ウィトゲンシュタインの批判
第五章 『論理哲学論考』の言語論
1 『論理哲学論考』の構図
『論理哲学論考』のめざしたもの
言語と思考
2 言語が可能性を拓く
ラッセルの誤解
事実から対象を取り出して可能的な事態に組み立て直す
対象を組み立て直すには言語が必要
3 論理形式と論理空間
対象を分節化するには可能性を了解していなければならない
対象の論理形式は語の論理形式から把握される
為すべきは説明ではなく解明
論理形式の理解
全体論的言語観
4 論理空間と文の意味
論理空間の構成
文の意味を論理空間を用いて規定する
要素文と真理関数
5 フレーゲ、ラッセルとの対比
指示対象と意義
文の構造を捉えねばならない
6 フレーゲからの挑戦に答える
単純な対象
同一性問題
信念文の問題
7 『論理哲学論考』から『哲学探究』へ
要素文同士の論理的関係
静的言語観から動的言語観へ
注
おわりに
索 引
フレーゲからラッセル、そしてウィトゲンシュタインへ――二十世紀初頭、言葉についての問いと答えが重なりあい、つながりあっていった。天才たちの挑戦は言語哲学の源流を形作っていく。その問いを引き受け、著者も根本に向かって一歩一歩考え続ける。読めばきっとあなたも一緒に考えたくなる。とびきり楽しい言葉の哲学。

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