ズバリ恋愛の生態を教えます!飛びきり新鮮なデラックス喜劇!
ちょっと可笑しな三つの恋愛を描いたオムニバス作品。

新東宝後期を彩る3話オムニバス形式の恋愛喜劇―
新東宝の経営不振、大蔵貢の社長退陣後という混乱期に一週間で撮り上げたと言われる作品。
石井輝男の「次の映画もないんだからタダでやろう」に賛同した同志が集まり、キャスト・スタッフともに無報酬だったと言う。

＜第一話＞
●出演者が無表情で早口にセリフを捲し立て、無機質でロボットを思わせる様な動きに効果音を付けるなど斬新な演出のシュールなコメディ。
●監督は「0線の女狼群」で異彩を放った三輪彰。天知茂、小畑絹子の美男美女ぶりに加え、唯一"普通"にセリフを話す星輝美が小悪魔的な魅力をみせる。

＜第二話＞
●人違いから起きる珍騒動を描いたドタバタコメディ。菅原文太がイメージとは真逆とも思える内気でお人好しな青年を演じ、村の名士たちが繰り出す接待攻撃に四苦八苦する様子が面白い。
●監督は「怪猫お玉が池」でデビューした石川義寛。本作を含め、新東宝末期に「怒号する巨弾」「南郷次郎探偵帳 影なき殺人者」などの良作を残している。

＜第三話＞
●騙した相手を殺して始末するという極悪な結婚詐欺師の恋を描く。ありがちなストーリーと思いきや、石井輝男の演出で一味も二味も違ったブラックコメディになっている。
●標的となる素朴な東北娘を三原葉子が好演。ひとりのキャラクターの中で様々な魅力をみせる。極悪なのに憎めない詐欺師に沖竜次、そのパートナーで本当の女房を魚住純子、さらには金欲を捨てきれない神父を嵐寛寿郎がコミカルに演じている。

＜映像特典「爆笑王座征服」＞
公開当時に在籍していた新東宝所属俳優が総出演の短編ながら貴重な作品。
"大新東宝劇場"完成披露という設定で、新東宝オールスターが歌い踊る絢爛豪華なファン・サービス映画。
高島忠夫、久保菜穂子、大空真弓が歌唱を披露し、キャバレーのステージでは三原葉子、万里昌代が天知茂をはじめとする錚々たる面々を客として踊る。そして、嵐寛寿郎らのベテラン勢は白浪五人男を披露している。