63年デビュー/'68年に発表された'Modlitba pro Martu(マルタの祈り)'及びTHE BEATLES'Hey Jude'カバーが'68年に旧チェコスロバキア弾圧の抵抗歌として脚光を浴びるとともに、そのパワフルかつソウルフルな歌唱による60年代初～中期楽曲が"チェコスロバキア版ゴッドねえちゃん"としてDJ/クラブシーンから再評価された、チェコを代表する国民的女性歌手:Marta Kubisovaと、Eben3人兄弟によって結成された男声コーラスグループ:BRATRI EBENOVEの連名で発表された'90年作の'22年リマスター再発盤LP。

政府からの弾圧を受け80年代末まで公の場でのアーティスト活動を休止していたMartaが東欧自由化の波を受けて音楽シーンへと復帰した後、デビュー・アルバムの再発や60年代のシングルをまとめたコンピレーション盤『LAMPA』の発売を経て初めてリリースしたオリジナル・アルバム。『アドベント・ソングと聖歌』という題名の通り、本作に使用された詩はペテロ福音書から引用された文をチェコ語翻訳したもので、また音楽はBRATRI EBENOVEのMarek Ebenが担当。Marta・BRATRI EBENOVEの他にもダルシマー/ハーディー・ガーディー/ハーモニウム/ピッコロ奏者や男声合唱団SCHOLA GREGORIANA PRAGENSISも迎え、賛美歌の厳かな響きとチェコのフォークロア由来の祝祭性/ポップさがミックスされた、人の暖かみを感じ取れるサウンドとなっており、Martaの歌声も普段の貫禄に満ちたソウルフルな歌声を抑えつつ、じっくりと渋みを効かせた深い味わいの歌声を披露。Martaの作品としては番外編とも云える内容ながら、本作でしか聞けないMartaの歌声、そして楽曲自体のリスナーに寄り添うかの様な親しみやすさと完成度も含めて、チェコ/東欧の音楽ファンは手元に置いておきたい一枚です。
マスターはこれまでにもMartaのデビュー作やコンピレーション盤のマスタリングを手掛けてきた、Oldrich Slezakによる新規リマスタリング音源を使用。

発売・販売元 提供資料 （2023/10/30）