次々と新たな才能が生まれ、世界的な盛り上がりを見せているUKのグライム/HIPHOPシーンで、その剃刀のように鋭く、はっきりとした歯に衣着せぬライムに、キレキレのユーモアと創造性溢れる知的な言葉遊びでカリスマ的存在感を放ち続けているGHETTS。
全英2位を獲得した『CONFLICT OF INTEREST』から約3年――彼の最新声明となる『ON PURPOSE, WITH PURPOSE』が到着!
アナログLPも同時発売決定!
次々と新たな才能が生まれ、世界的な盛り上がりを見せているUKのグライム/HIPHOPシーン。その中でも2000年代はじめのグライム黎明期からその剃刀のように鋭く、はっきりとした歯に衣着せぬライムに、キレキレのユーモアと創造性溢れる知的な言葉遊びでカリスマ的存在感を放ち続けているアーティストがGHETTSだ。10代で収監された彼は出所直後の2005年、デビュー・ミックステープ『2000&LIFE』を発表し、注目を集めた彼はその後も5作のミックステープ、3作のスタジオ・アルバムを発表し、作品をドロップする度にそのフリースタイルとワードプレイ、そしてサウンドに磨きをかけてきた。グライム・コレクティヴ、NASTY CREWのメンバーだったこともあり、またKanoやStormzyなどともにUK HIPHOPシーンを盛り上げてきた彼が、新たなアルバムを完成させた。
全英アルバム・チャート2位、全英アルバム・ダウンロード・チャート1位を獲得した2021年の『CONFLICT OF INTEREST』から約3年ぶりとなる最新作『ON PURPOSE, WITH PURPOSE』。常にラッパー/ソングライターとしての進化と変化を恐れないGHETTSだが、今作でもその音楽性をRAP/グライムから大きく幅を広げ、ソウル(「Double Standards」)やR&B(「Mine」)、ゴスペル(「Hajjejujah」)だけでなく、アフロビートや南アフリカのダンスミュージック、アマピアノ(「Gbedu」「Blessings」、「Tumbi」)などの要素も積極的に取り入れている。
前作でエド・シーランやエミリー・サンデー、ストームジー、SKEPTAやパ・サリューなど数々の豪華ゲストが参加していたが、これまで以上に鋭く、容赦ないほど率直で、大胆なまでに自信を漲らせているGHETTSの姿を捉えた本作でも盟友Kanoをはじめ、サンファ、Wretch 32、Unknown T、Dexta DapsやMoonchild Sanellyなどのゲストが参加。彼が新たに創り上げた音のパレットに鮮やかな色を付けくわえている。またアルバムのアートワークを手掛けているのが、2023年BRIT AWARDSのブリタニア・トロフィーをデザインし、同トロフィーをデザインした最年少アーティストとして知られるナイジェリア系英国人グラフィティ・アーティスト、SLAWNが手掛けていることも注目だろう。
アーティストとしての進化を止めることなく、UKグライム・シーンとともに成長し続けているアンダーグラウンド・シーンのカリスマ、GHETTS。目的をもって、目的を遂行する。その彼の最新声明がここにある。
発売・販売元 提供資料(2023/12/01)
メジャー契約した前作『Conflict Of Interest』(2021年)がキャリア最高の全英2位を記録したロンドン出身ラッパーのニュー・アルバム。徐々に広げてきた音楽性は今回もさらに拡張され、ケイノとレッチ32をフィーチャーした"Mount Rushmore"で根源にあるグライムの血を見せつけつつ、ムーンチャイルド・サネリーとの先行シングル"Laps"やサンファを迎えたシリアスな"Double Standards"、アンノウンTとのエネルギッシュな"Blood On My Hands"など間口の広い楽曲を連発。"Tumbi"や"Blessings"など中盤以降でアフロビーツやアマピアノへのアプローチが際立って響いてくるのも印象的だ。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.484(2024年3月25日発行号)掲載)