2年連続のFRUE出演&初の単独来日(w/Asa Tone)も決定!
韓国はソウルを拠点に活動しているレフトフィールド・アンビエント・デュオ、SalamandaがFactaとK-LONEが運営する気鋭のエレクトロニック・ミュージック・レーベル、Wisdom Teethと契約しニュー・アルバム『In Parallel』を完成。
『In Parallel』は、彼らの持ち味であるサイケデリックで広がりのあるアプローチに、新たなレベルの明快さをもたらした、鮮やかな質感と没入感がある魅力的な作品である。
友人であるUman Therma(別名Sala)とYetsuby(別名Manda)で構成されるこの2人組は、2019年の登場以来、精巧で夢のような音世界を描き出し、これまでに4枚のアルバムと10枚以上のシングルでサウンドを磨き上げてきた。
すでに膨大なディスコグラフィーの中で、2人はいくつかの重要な特徴を確立している。マレット楽器とチューニングされたドラムが遊び心のあるオルゴールのようなメロディーを奏で、濃厚なガス状のアンビエンスが異世界や古代のサウンドスケープを呼び起こす。ファウンド・サウンドや操作されたヴォーカルの埋もれた断片がレイヤーされ、合成音であるはずの彼らのコンポジションに、一人称の物語のような温かい感覚を与えている。アンビエントとライヒ・スクール・ミニマリズムは、この音楽の最も明白なサウンドの試金石であるが、現代のクラブ・ミュージックやポップ・ミュージックの鼓動が完全に聴こえない訳ではない。
しかし、「In Parallel」はサラマンダのこれまでの作品から一歩踏み出したことを示している。2022年の前作『ashbalkum』(Wisdom Teethからも作品をリリースし、Asa ToneのメンバーでもあるTristan ArpとSimiseaによるのレーベル、Human Pitchからリリース)以来、デュオはロンドンのKings Placeのようなクラシカルな施設からマンチェスターのWhite HotelのようなDIYクラブまで、またMutek、Nachti、Dekmantelのような世界的に有名なフェスティバルを経て、幅広いツアーを行ってきた。彼らのクリエイティヴなセットアップは、新しいマシン、プロセス、視点を取り入れることで着実に成長し、その過程で彼らの音楽を大胆な新しい方向へと導いている。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2023/11/07)
ここでの最も明確な進展は、デュオのヴォーカル使用である。この変化は過去数枚のアルバムでゆっくりと起こっていたが、『In Parallel』ではそれが一気に顕著になった。アルバムのリードシングル「Homemade Jam」は、このデュオ史上最もポップな曲であり、その軽快なビートとオートチューンされたヴォーカルは、SOPHIEとCharli XCXが特に強力なマッシュルームティーを飲んだ後に書いたもののようである。これは、Salamandaの広大で制限のない創造的なエネルギーが、濃縮され洗練されたものにまで蒸留されたときに何が起こるかを提供する、オルタナティヴ・ポップの非常に鋭いスライスだ。
また、リズムに対するアプローチをより前面に押し出し、これまで以上にダンスフロアに近づいている。「Paper Labyrinth」の蛇行するドラムとヴォーカルは、4×4のしっかりとしたパルスに支えられており、「Tonal, Fluid」のデンボー・グルーヴは、Nick LeonやDJ Pleadのセットにもぴったりだろう。
『In Parallel』は、つながりについてのアルバムであり、友情の暖かさとノスタルジックな素朴さが、全体を通して鮮やかに感じられる。このアルバムのタイトルは、デュオが友人として、また共同作業者として見つけたハーモニーを意味しており、それを証明するように、アルバム全体を通して音の平行線が辿られている。例えば、「Sun Tickles」を支えるメロディーは、アルバムのクローズである「Mysterious Wedding」ではキーとテンポを変えて戻ってくる。各アーティスト間、そして彼らの音楽を通して、平行線が辿られ、過去へと遡り、未来を指し示している。これらが次に私たちをどこへ導くかは、Salamandaだけが知っている。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2023/11/07)
2年連続の FRUE 出演&初の単独来日(w/Asa Tone)も決定!韓国はソウルを拠点に活動しているレフトフィールド・アンビエント・デュオ、Salamanda が Facta と K-LONE が運営する気鋭のエレクトロニック・ミュージック・レーベル<Wisdom Teeth>と契約しニュー・アルバムを完成。 (C)RS
JMD(2023/10/19)
韓国のエレクトロニック・ミュージック・デュオが発表した新作は、幻想的かつ艶やかな音像が際立っている。スティーヴ・ライヒといったミニマルの巨匠に通じるサウンドは端正で、角がない柔和な電子音は人懐っこい旋律を紡ぐ。現代音楽などアカデミックな要素の濃い文脈で楽しめる一方で、そうした学術的知識がなくとも享楽的に聴ける気持ち良さもある。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.480(2023年11月25日発行号)掲載)