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虚構の「近代」 科学人類学は警告する

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構成数 : 1

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近代人の自己認識の虚構性とは。先鋭的分析に基づく危機の処方箋。

本著は異彩を放つ近代論であり、近代社会に対する警告の著である。科学的事実と、社会や人間についての議論を混合してはならないというのが「近代の常識」とされている。《科学とは真実を発見する作業だから社会から離れて行わなければならないし、社会は個々人の意思を集合させることで作られるからモノの世界から自由なはずである。私たちはこの二つを混合する不分明な時代から進化してきた》。これが近代人に特徴的な自己認識である。著者はこれを近代人の誤った自己認識であると断言する。近代人の自己認識と実践は乖離している。近代人が実際に行っているのは、むしろ自然と社会を結びつけてハイブリッドを生み出すこと、そしてその後でそれを純化し、存在論的に異なる二つの領域に分類整理することである。もし自然と社会を分断するような実践が近代人の特徴だというのなら、それは虚構であり、地上にはそのような近代人など一人もいないことになる。ではなぜ近代人は、実際の行動とは裏腹の誤った自己認識を持ち続けているのか。それは、科学の命題を「真実を発見する作業」として立てておけば科学の自律的発展を当然視でき、科学技術開発というものを社会のくびきから解き放つことができるからである。それがハイブリッドの異常増殖の原因である。となれば現代の危機を脱するにはどうすればよいか。それは「近代」というものが実は自然と社会を混合することで成り立ってきたという事実を認識し、現代の危機の根源となっているハイブリッドの異常増殖を少しでも抑制していくことである。こうして著者は危機の処方箋を描くのであるが、この十分に説得的な著者の近代分析は目が覚めんばかりに先鋭的である。

作品の情報

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フォーマット 書籍
発売日 2008年07月24日
国内/輸入 国内
出版社新評論
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784794807595
ページ数 328
判型 A5

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