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日本探偵小説を読む

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フォーマット 書籍
発売日 2013年04月15日
国内/輸入 国内
出版社北海道大学出版会
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784832933835
ページ数 320
判型 46

構成数 : 1枚

まえがき

〔戦前編〕
「一寸法師」のスキャンダル:江戸川乱歩と新聞小説………成田大典
1 新聞小説としての「一寸法師」
2 娯楽としての犯罪
3 美醜という見世物
4 差別する眼差し
5 現実と虚構の曖昧化
6 スキャンダラスな死

指紋と血の交錯:小酒井不木「赦罪」をめぐって………井上貴翔
1 はじめに
2 認知されていく〈指紋法〉
3 指紋言説の二つの編成
4 "血"の連続と断絶
5 "徴"の過剰
6 おわりに

〔戦後編1〕
坂口安吾ミステリの射程:『荒地』派詩人たちとの交錯………押野武志
1 はじめに
2 近・現代詩殺人事件
3 『荒地』派と戦後ミステリ
4 探偵小説論とファルス論との接点
5 叙述トリックとしてのファルス
6 おわりに

「終戦直後の婦人」の創出:松本清張『ゼロの焦点』………高橋啓太
1 はじめに
2 『ゼロの焦点』における「過去」と「現在」
3 「終戦直後の婦人」とは何か
4 「終戦直後の婦人」としての佐知子
5 『ゼロの焦点』と占領期表象の問題

帰郷不能者たちの悲歌:水上勉『飢餓海峡』論………近藤周吾
1 はじめに
2 〈社会派推理〉から〈人間〉へ
3 北海道と若狭をつなぐ
4 笠井潔への反論
5 故郷というテーマ
6 おわりに

〔戦後編2〕
もうひとつのクローズドサークル:『八つ墓村』と『屍鬼』………横濱雄二・諸岡卓真
1 開かれた閉鎖空間
2 物語と反復
3 遡行と緊迫
4 閉鎖の反復
5 閉塞の緊迫
6 なぞりかえすこと

〈わたしのハコはどこでしょう?〉:赤川次郎「徒歩十五分」をめぐって………小松太一郎
1 はじめに
2 新参団地居住者の「視線」
3 戦略としての「迷子」
4 意外なる「真犯人」

〔現代編〕
憑物落し、あるいは二つの物語世界の相克:京極夏彦『姑獲鳥の夏』………横濱雄二
1 はじめに:姑獲鳥の位置
2 二つの世界の構造化
3 二つの物語世界の位置づけ
4 可能世界と経験世界の二重性
5 物語世界の結びつき

サスペンスの構造と『クラインの壺』『ジェノサイド』の比較考察………大森滋樹
1 サスペンスの原理的分析
2 探偵小説とサスペンス時空間
3 高度経済成長と時空間コントロール
4 岡嶋二人『クラインの壺』のバーチャル時空間
5 高野和明『ジェノサイド』のバーチャル時空間

創造する推理:城平京『虚構推理』論………諸岡卓真
1 はじめに:謎解きの時代
2 超自然的な力の導入
3 後期クイーン的問題
4 謎の不在
5 想像力の怪物
6 創造する推理
7 当事者の物語
8 安全弁としての超能力
9 おわりに:上書きされる世界で

3・11以降のミステリ的想像力:「あとがき」に代えて

初出一覧
執筆者紹介
索引

  1. 1.[書籍]

従来、ミステリは文学研究ではほとんど扱われてこなかった。本書では、日本文学研究者たちが、江戸川乱歩をはじめ、松本清張、京極夏彦など、各時代を代表する作家の作品を縦横無尽に読み解いていく。気鋭の研究者たちによる日本文学研究とミステリの垣根を超える試み。

作品の情報

メイン
アーティスト: 押野武志諸岡卓真

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