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農学と戦争 知られざる満洲報国農場

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フォーマット 書籍
発売日 2019年04月25日
国内/輸入 国内
出版社岩波書店
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784000018265
ページ数 266
判型 46

構成数 : 1枚

序 満洲の「忘れ草」――農業,学問,戦争のあいだ…………… 藤原辰史
問題意識の在り処/体験者の俳句から

第一章 東京農大満洲農場の記憶――国家は学生を盾にし,大学はかれらを見すてた…………… 足達太郎
満洲への夢とあこがれ/満洲の実習農場でおこったこと/戦時下の学制と東京農大/教育の大陸移駐化/農場の建設/太田正充の経歴/湖北農場での実習生活/八期生の満洲渡航/ソ連の参戦/農場からの脱出/逃避行/しのびよる冬と死の影/三次隊の運命と太田の死/生還学生と東京農大の戦後/慰霊と贖罪/新学科の設立/「農学と戦争」の歴史をどうつたえるのか

第二章 国策と学問が手を結ぶとき――大学はなぜ「報国農場」を推進したのか…………… 小塩海平
「寂」の慰霊碑/東京農大の「生みの親」と「育ての親」/榎本武揚の殖民論/明治農学の祖,横井時敬/第二代学長吉川祐輝の満洲農業科構想と第三代学長佐藤寛次/東京農大満洲報国農場の設置/報国農場の発案者,杉野忠夫/杉野忠夫の満洲開拓理論/学生の帰還と大学の対応/佐藤寛次の失脚と第四代学長千葉三郎/農業拓殖学科の設置と初代学科長杉野忠夫

第三章 満洲移民はいかにして農学の課題となったのか――橋本傳左衛門の理論と思想から考える…………… 藤原辰史
橋本傳左衛門とその時代/杉野忠夫の師,橋本傳左衛門/チャヤーノフと「怠惰」/エーレボーと「欲望」/クルチモウスキー――『農学原論』/結節点としての『農業経営学』/家族と勤勉と共棲の農学

第四章 「食糧戦争」の虚像(フィクション)実像(リアル)――満洲報国農場の系譜と戦後処理…………… 小塩海平
「食糧戦争」と農業報国連盟/農業増産報国推進隊の過酷な中央訓練/農業増産報国推進隊嚮導隊の結成/少年農兵たちが担った痛ましい食糧増産隊/最初期の満洲報国農場隊の実像/国内における報国農場化運動/本格化した満洲報国農場/石黒忠篤の敗戦認識と戦後に引き継がれた「食糧戦争」

補 章 満洲報国農場とは何だったのか――限られた資料から空白をたどる…………… 小塩海平
焼棄された書類/東寧報国農場――農業報国連盟直轄にして満洲報国農場の大本山/中央食糧営団による成吉思汗報国農場および秋田,山形,岐阜県による報国農場/興安東省にあった報国農場/北安省にあった報国農場/龍江省にあった報国農場/三江省にあった報国農場/東安省にあった報国農場/牡丹江省にあった報国農場/濱江省にあった報国農場/吉林省にあった報国農場/四平省にあった報国農場/奉天省にあった報国農場/間島省にあった報国農場/錦州省にあった報国農場/新京にあった報国農場/満洲報国農場隊員の善後処理



資料 平田弘氏提供による満洲報国農場関連書類
手記 東京農大満洲湖北農場の追憶…………… 黒川泰三
主な参考文献

あとがき

  1. 1.[書籍]

戦争末期の1943年から遂行された国策、満洲報国農場。終戦時には70近くの農場が存在したが、その実態は長く顧みられずにきた。農林省の役人や農学者たちが牽引したこの国策により、東京農業大学の実習生や多くの若者たちが辛酸を嘗め、死へと追いこまれた。命を支える農業を研究する農学が、そして学生を育むべき大学が、棄民に加担した事実に迫る。

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