| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2019年09月21日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 岩波書店 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | 新書 |
| SKU | 9784004317968 |
| ページ数 | 238 |
| 判型 | 新書 |
構成数 : 1枚
はじめに
社会保障の持続可能性/この本がめざすもの/社会保障法という法分野
第1章 持続がむずかしい社会保障
1 財政と人口
高齢化のなかで/新たに法律をつくる/結婚,子育てから人口を考える/国家による推奨にならないように/より本質的な持続可能性の基盤
2 家族,企業,地域が変わっていく
社会保障の法的な定義/「すこやかで安心できる生活」/家族によるvi扶養/企業による福祉/雇用保障の強化/住宅手当からみる問題点/費用負担者としての企業/被用者保険の適用を拡大/地域の脆弱化と希薄化
第2章 何のための社会保障か
1 「自律」支援,「自立」支援
社会保障の目的/「自律」とは/保護から主体へ/認知症の人の生き方/発達障害のある子どもの成長/自律に向けた支援/「自立」とは/プロセスへの着目
2 生存権に限界はあるのか
憲法二五条/給付中心だったが/主体としての人間/「個人の自律の支援」/なぜ相談支援か
3 支える人はいるのか
社会的な共感と連帯/共同体の強調と新たな排除の危険性/互恵性に開かれた人間像/折々にみずからの生き方を修正できること/尊重されるべきこと/多元的な保障手段
第3章 何が変わってきているのか
1 伝統的な社会保障のとらえ方
貧民救済と労働者保険/社会保険から社会保障へ/所得を保障する/その後の発展
2 社会的包摂と,個人のニーズへの対応
経済発展がもたらしたもの/発達や成長に向けた支援/児童手当から子ども個人の手当へ/「孤立」を打開/相談支援の重要性/個別のニーズに合わせた手続的な保障/犯罪被害者,矯正施設退所者,DV被害者,がん患者などさまざまな人へ/生活困窮者自立支援法
第4章 社会保障は誰のためのものか
1 不信感と不公平感
財政への不安/医療分野での社会への包摂支援/最適水準保障の医療/高額薬剤をどう扱うか/介護保険改革/学生の感覚/思想の欠如/公平とは/世代間の不公平/社会的弱者の側の不公平感/中間層以上の不公平感/後期高齢者支援金の重荷/介護保険にも総報酬割/税制面での扱い/普遍的な子ども・子育て支援を/恩恵を実感できる仕組みを
2 地域共生社会の構想
障害者をめぐる法制度/地域包括ケアシステム/地域力強化に向けて/地域福祉の推進/地域づくりの視点
3 生活困窮者自立支援法がもたらしたもの
「生活困窮者」の定義の拡がり/一人ひとりの状況に応じた自立相談支援事業/就労に向けた準備/住まいを提供/家計の管理支援/子どもの学習支援
第5章 相談支援
1 法によるサポート
生活保護制度にはあったが/相談支援の先鞭/支援と自律の緊張関係/支援の給付化/支援を受ける権利/権利と専門性の相克/協働の必要性/支援は押しつけか/支援会議の設置/協同的意思決定/相談支援の法的規整/コストに向き合う/むずかしい政策効果/情報の共有に向けて
2 さまざまな主体のかかわり
社会保障の拡がり/国の役割/地域自治の役割/タテ割り行政の打破/まち・ひと・しごと創生法/自治体間の格差/支援者の専門性
3 事業の位置づけ
従来の「事業」/新たな「事業」の展開/政策理念をとらえにくい/国や地方自治体の責任
第6章 地域再構築
1 地域を再生,再構築することの意義
地域の変遷/我が事...
いま社会保障制度を持続可能にするには、どうしたらいいのか。全国各地で始まっている、生活に困窮したり、社会から孤立している人たちへの「相談支援」が育む可能性を明らかにし、そこで生まれている住民と行政による新たな〈地域〉づくりを社会保障制度、そして法律の中に位置づけていく。

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