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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2019年11月20日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 岩波書店 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784000613729 |
| ページ数 | 322 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
はじめに
第一章 スピリチュアリティとは何か――概念とその定義
1 「スピリチュアリティ」の意味と定義
2 英語の心理学の学術文献における定義
3 日本における出版の動向――死者の重要性
第二章 二〇〇〇年以後の日本におけるスピリチュアリティ言説
1 オウム事件,反カルト的雰囲気,意識変容への懸念
2 ポテンシャルからトラウマへ
3 癒しの時代
4 ポピュラーなブームとしての癒し
5 片仮名のスピリチュアリティと「霊」の排除
6 マス・メディアにおける「スピリチュアル」
7 根強い「霊」への関心
8 日本人の無宗教の宗教性
9 スピリチュアリティのゆくえ
第三章 メディアのなかのスピリチュアル――江原啓之ブームとは何だったのか
1 スピリチュアルという言葉と江原啓之
2 霊能者からスピリチュアル・カウンセラーへ
3 テレビ番組の相談事例から――スピリチュアル・カウンセリングの構造
4 江原の思想の特徴――霊的真理の八つの法則
5 「霊を信じるが無宗教」という層へのアピール
6 オウム以後のメディア状況――カルトはバッシング,オカルトはブーム
7 ブームのゆくえ――スピリチュアリティ言説の状況から
第四章 メディアのなかのカリスマ――江原啓之とメディア環境
1 初期の雑誌掲載――占い特集のなかで
2 単行本の刊行――霊的真理の教義化の試み
3 テレビ出演,個人相談の中止,「メディアのなかのカリスマ」の誕生
4 テレビ「えぐら開運堂」――カウンセラーとして
5 テレビ「天国からの手紙」――ミディアム・ヒーラーとして
6 テレビ「オーラの泉」――コメンテーター化
7 まとめ――メディア論との接合
第五章 スピリチュアルとそのアンチ――江原番組の受容をめぐって
1 弁護士たちによる要望書
2 二七時間テレビ「ハッピー筋斗雲」問題
3 スピリチュアル番組規制論へ――『J‐CASTニュース』の批判記事
4 ネット・ユーザーの反応――規制論からテレビ批判へ
5 好意的コメントに見られる江原評価の要因
6 アンチとファンの対比
7 「ネンダー」間の論争?
8 「テレビ」の衰退とスピリチュアルのゆくえ
第六章 現代の輪廻転生観――輪廻する〈私〉の物語
1 日本における輪廻転生観
2 現代日本の前世療法の体験談の分析
3 欧米における輪廻転生
4 輪廻転生観の近代性
第七章 パワースポット現象の歴史――ニューエイジ的スピリチュアリティから神道的スピリチュアリティへ
1 一九八〇年代のパワースポット――天河神社の登場
2 国外のパワースポットへの関心
3 国内のパワースポットの再発見
4 神社のパワースポット化
5 現世利益と真正性
6 神道的スピリチュアリティとナショナリズム
第八章 パワースポット体験の現象学――現世利益から心理利益へ
1 パワースポットの効果の類型論――関連ブログの収集
2 現世利益と心理利益の関係性
3 コーエンのツーリストの現象学との比較
4 大神神社をめぐる重層的な真正性――神祇信仰・現世利益・自然崇拝
5 パワーの脱文脈化と一般化
第九章 サブカルチャーの魔術師たち――宗教学的知識の消費と共有
1 「魔術」への関心の高まり
2 インターネットにおける「魔術」――内容と関心層の属性
3 アニメに見るサブカルチャーのなかの魔術
4 「魔術」に関する知識の操作
5 研究の意義――サブカルチャー研究と「宗教」研究のあいだで
参考文献
あとがき
「江原啓之ブーム」とその後.「前世療法」と現代の輪廻転生観.「パワースポット」体験.サブカルで関心が高まる「魔術」.軽視されがちなこうした現象は,実はグローバルに連動し,日本ではテレビ,小説,アニメから,ネット,SNSへと拡散と深化を続ける.現代日本の「ポップ・スピリチュアリティ」を考える本格的研究.

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