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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2020年03月06日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 岩波書店 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784002710204 |
| ページ数 | 80 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
第1章 学校の現状を見える化する――「一年単位の変形労働時間制」の導入は可能なのか?
内田良
1 財源なき働き方改革
2 一年をとおした働き方の現状――学校に「閑散期」はあるのか?
3 これから学校で何が起きるのか
第2章 なぜ、このような働き方になってしまったのか――給特法の起源と改革の迷走
広田照幸
1 給特法の成立過程――ボタンの掛けちがい
2 三十年以上にわたる教育改革疲れ――業務の水膨れ
3 広がる教員の業務範囲
4 上に弱く、下に強い文科省の構造
5 学び続ける教員であるために
第3章 給特法という法制度とその矛盾
髙橋哲
はじめに
1 勤務時間管理の基本ルール
2 給特法の法的特徴
3 文科省の示す労働時間概念の問題
4 給特法下での三六協定の可能性
おわりに:給特法問題のあるべき「出口」
第4章 一年単位の変形労働時間制がもたらす危険性
嶋﨑量
1 変形労働時間制とは
2 変形労働時間制の要件
3 「休日のまとめ取り」という不合理な政府の導入目的
4 民間企業等での先行導入事例
5 公立学校教員と一年単位の変形労働時間制の要件
6 おわりに:政府が一年単位の変形労働時間制を導入する本当の狙い
第5章 変形労働時間制は教育現場に何をもたらすか?
斉藤ひでみ
1 変形労働時間制に反対する声
2 今後議論すべきこと
2021年度より公立学校教員への導入が可能になった「1年単位の変形労働時間制」。この制度は教員の多忙化解消につながらないどころか、さらに多忙化を進展させる可能性すら含んでいる。本書では、学校がおかれている実情や法制度を踏まえつつ、この制度の持つ問題点について、現場教員を含む様々な視点から論じる。
長時間労働の改善どころか、多忙化が進みかねない――
エビデンスなき「迷走」のゆくえは?
「一年単位の変形労働時間制」を徹底的に解剖する
近年話題となっている、教員の過重労働の実態。OECDの調査でも日本の教師の労働時間が世界的にもっとも長いことがわかっている。また、国内調査でも、過労死ラインと言われる月80時間の残業を中学校教師の58%、小学校教師の34%が超過している現状にあり、その改善は喫緊の課題である。
そうした議論を受け、2019年秋の臨時国会、教員の待遇を定める「給特法」が改正され、それによって自治体単位の導入が可能になるのが、公立学校教員の「1年単位の変形労働時間制」である(2021年度以降)。
だが、この制度は大きな問題を含んでいる。
この「1年単位の変形労働時間制」は、本当に教師の長時間労働の改善につながるのか? 実際に導入されたとき何が起こるのか? 現場の教員はどのように考えているのか?
本書では、長時間労働の実態が覆い隠され、さらに多忙化が進む可能性すらある、この「1年単位の変形労働時間制」の仕組み、問題点、起こりうる可能性について、社会学や法学、現場教員の目線から論じる。

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