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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2020年04月 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | NHK出版 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784140818169 |
| ページ数 | 173P |
| 判型 | B6 |
構成数 : 1枚
戦争の原因は排除できるのか?
戦争することが「人間の本性」であるとすれば、私たちはいかに平和を獲得しうるだろうか?『永遠平和のために』は、西洋近代最大の哲学者カントが著した平和論の古典。空虚な理想論にとどまることなく、現実的な課題として戦争の克服方法を考察した本作は、争いの火種が消えない現代にあらためて読まれるべき一冊だろう。好評を博した番組テキストに大幅な加筆を加え、待望の書籍化!

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テキストを読むとカントの人柄が何となく伝わって来るような感じがする上、カント哲学の本質的要素をわかりやすく完結に説明、キ―ワ―ドが各章の最後に1頁づつ挿入されている。
私は、カントと聴くだけで、読書意欲がわかなかったのだが、この『永遠平和のために』は、珍しく読んでみようと思った。カントの他の著作は、題名に壁を感じて閉口する。亡き実父(←言語学者)の書棚の本で、文学作品名は良く覚えているけれども、“演繹法”だとか“弁証法”というような用語の入った題名の類は一冊も覚えていないし、手にとることもしなかった。父の机の最も間近に配置されていたため、結界まで感じた。そして、言葉に対して厳密で厳格な、一種の職業病が思い出されて、カントには食指が動かなかった。
本テキストが優れている点は、カントが感じの良い温かみのある人だと感じさせてくれたこと。親近感がわき、もし聴講が叶ったりしても、「わかりましたか?」などときかれてしまうような、決して優秀とは言えない生徒の私だと思うのだが、抜粋を読むと、ご自宅での講義を受け、熱意に間近で接しているような感覚までした。
机上の空論ではなく、実践の基となる書。ウクライナ情勢が勃発した時に、私が最初に思った事は、製造業に勤務する夫たちの原価低減努力が水泡に帰することだった。平和の希求という高尚な理念よりも、実損を計算するのである。カントが言及している通りであった。
カントに関心を持ち、三批判書から始めると難しいのは、講読を必要する高い専門性ゆえ、『永遠平和のために』から読むことを推進するのが実際的ではないだろうか。しかも、内容は、喫緊で必読図書なのだ。その際、本テキストに紹介してもらってからが円滑。