記念すべきデビュー作。ユーミン10代の結晶ともいえる名品。
10代中頃(!)からソングライターとして活動を始めていたユーミンがアルファ・レコードの村井邦彦と出会い制作に1年以上をかけ、'73年19才の時に発表されたデビュ-作。「ひこうき雲」、「雨の街を」、「きっと言える」など繊細で内省的な名曲群が胸を打つ1枚。キャラメル・ママの演奏も見事!
タワーレコード(2024/06/26)
【Musician & Staff】
Producer:村井邦彦
Artist:荒井由実
Composer/Author:荒井由実
Arranger:荒井由実、キャラメル・ママ
Strings Arrangement:宮本光雄
Chorus Arrangement:シンガーズ・スリー
Vocal:荒井由実
Piano:荒井由実
Bass:細野晴臣
Keyboard:松任谷正隆
Guitar:鈴木茂
Drums:林立夫
Tenor Sax:西条孝之介
Nylon-String Guitar:細野晴臣
Percussion:林立夫、鈴木茂、松任谷正隆、小原礼
Flute:宮沢昭
Side Vocal:松任谷正隆
Chorus:シンガーズ・スリー
Hand clapping:Recording Staff
Banjo:松任谷正隆
Steel Guitar:駒沢裕城
発売・販売元 提供資料(2021/12/09)
1973年発表のデビュー・アルバムをリマスタリングして再発売。アサヒ『旨茶』CMソング「きっと言える」「紙ヒコーキ」「ひこうき雲」他、全11曲を収録。 (C)RS
JMD(2019/02/11)
この原石が散りばめられたようなシンプルでレアなデビュー・アルバムには、もう1曲、新人らしからぬ力量を感じさせる楽曲がある。ピアノの弾き語りで綴られる「雨の街を」だ。しとやかに降るやさしい”雨”を唄った名曲で、ブルー&グレイな色調だが、雨の日と月曜日が重なったような陰鬱な感じはしない。後に、この曲のレコーディングにまつわるエピソードについて、ユーミン自身がラジオ番組で語っていたことがある。ユーミン曰く、最初、曲のクライマックスの音階の声が何度トライしても出せなくて、結局、その日の収録は止めて、翌日改めて収録することにしたそうだ。そして次の日、ユーミンがスタジオに入ると、ピアノの上に一凛の花が置かれていて、それを見ながら唄ったら上手く声を出すことができて、レコーディングの”OK”が出たとのことだった。もちろん、花を置いたのは松任谷正隆さんで、そのこともラジオで話していた。
その頃、推測だが、レコーディングが終わった後、正隆さんがユーミンを実家の八王子まで車で送っていたのだろう。滑走路のように夜空に続く”中央フリーウェイ”をドライブしながら、二人は流星になった、のかもしれない。
昨年、テレビ番組にユーミンが出演した際、北村弁護士が”「少しだけ片想い」の歌詞に出てくる二人はその後どうなったのでしょうか?”と確信犯的な質問そしていたが、その答えが、”十五夜(14番目の月の次の夜)に幸せになりました”ということは誰もが知っている。