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神仏融合の東アジア史

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フォーマット 書籍
発売日 2021年03月08日
国内/輸入 国内
出版社名古屋大学出版会
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784815810214
ページ数 726
判型 A5

構成数 : 1枚

序 章 東アジアの神仏融合と日本の神仏融合[吉田一彦]

第1章 多神教としての仏教とその東流[曾根正人]
――東アジア仏教における神仏信仰の基盤
はじめに――神仏習合論の現状と問題点
一 研究史におけるインド仏教と東アジア仏教
二 インド仏教の多神教世界
三 インド仏教世界の神々
四 多神教としてのインド仏教の中国流入
おわりに――東アジアの神仏関係の解明へ

第I部 中国における神仏融合の歴史的諸相
第2章 「神」「仏」理解からみた中国宗教[荒見泰史]
はじめに
一 言語からみた信仰・宗教上の理解の差異――「天」、「神」、「仏」を中心に
二 中国における「天」、「神」、「仏」の位置関係
おわりに

第3章 敦煌における儒教と仏教[髙井龍]
はじめに
一 敦煌における儒教社会
二 伯三八〇八「長興四年中興殿応聖節講経文」考
三 伯三〇九三「仏説観弥勒菩薩上生兜率天経講経文(擬)」考
四 儒教社会における講経文
おわりに

第4章 宋代の水陸会にみる三教融合[高志緑]
―─南宋仏画における普度儀礼と使者を中心に
はじめに
一 水陸会に招請される三教の諸尊
二 水陸会に内包される普度儀礼と追善供養
三 南宋仏画に描かれる使者の役割と分類
おわりに

第5章 明清時代の祠廟信仰と仏教[水越知]
――城隍神の冥界裁判を中心に
はじめに
一 中国における冥界裁判の観念と城隍神の台頭
二 城隍神の冥界裁判
三 "幽明一体"の司法
四 空間から見た城隍廟
おわりに

第II部 東アジアにおける神仏融合の地域的展開
第6章 祭山儀にみる契丹の信仰[藤原崇人]
――謁菩薩堂儀の位置づけをめぐって
はじめに
一 契丹とその後継国家における信仰
二 祭山儀について
三 契丹後期における祭山儀と仏教
おわりに

第7章 ベトナムの神仏融合と道教[大西和彦]
はじめに
一 ベトナムの「神道」における道教の優勢
二 李朝期の神仏融合と巫覡ならびに道教
三 貝渓寺の菩薩真人
四 後黎朝期に観音を祭祀する女巫と符水師
五 柳杏聖母信仰と仏教の関係に介在する道教
おわりに

第8章 台湾における道教と仏教[松本浩一]
はじめに
一 台湾の道教と仏教
二 台湾の宗教儀礼
おわりに

第9章 マレーシアの寺廟にみる神仏融合[二階堂善弘]
はじめに
一 マレーシアの寺廟
二 民間信仰の受容と展開
三 マレーシアの民間宗教の発展と独自性
おわりに――マレーシアにおける神仏融合

第III部 東アジアのなかの日本の神仏融合
第10章 鬼と神と仏法[吉田一彦]
――インド・中国・日本:役行者の孔雀王呪法を手がかりに
はじめに
一 『続日本紀』に記される役小角
二 『日本霊異記』上巻第二八の役優婆塞
三 孔雀王経典の翻訳
四 奈良時代における孔雀王経典と孔雀王信仰
五 役行者と葛城峯一語主大神の関係
六 孔雀王経典における仙と鬼神
おわりに――鬼神と仏法

第11章 地天の変容[高橋早紀子]
――毘沙門天の脚下で
はじめに
一 地天単独系統の成立と展開
二 地天・二鬼系統の成立と展開
三 地天に支えられた毘沙門天の日本的展開
おわりに

第12章 ガラン神考[脊古真哉]
――三河・信濃・遠江国境地域から見た神仏交渉史の一断面
はじめに
一 中国の伽藍神
二 日本禅宗における中国伽藍神の受容
三 伽藍神と土地神
四 顕密仏教の伽藍神
五 民俗宗教のガラン神
おわりに

第13章 観音・媽祖・マリア[松尾恒一]
――近世長崎における清国海商とかくれキリシタン
はじめに
一 長崎貿易と媽祖信仰
二 キリスト教禁制下における明清国海商の管理
三 航海の女神としての媽祖と観音
四 マリアと観音─―慈母神となった白衣観音
五 潜伏キリシタンのマリア信仰と観音
おわりに

第IV部 日本における神仏融合の歴史的展開
第14章 古代における神仏の融合[吉田一彦]
はじめに
一 中国の神仏融合思想の受容
二 中国の仏書の記述
三 八、九世紀における神宮寺の建立
四 〈護法善神〉の思想の受容
五 〈鎮守〉の思想
六 神仏の聖地としての山――山岳寺院と神信仰
おわりに――日本の神仏融合の歴史的特質

第15章 平安時代における神の変容[関山麻衣子]
――神仏融合と神仏隔離
はじめに
一 神身離脱と神宮寺の建立
二 神の罪の実<...

  1. 1.[書籍]

日本独自の宗教現象だと考えられてきた「神仏習合」。しかし、神信仰と仏教の融合はアジア各地域で広く見られる。インド・中国から北東・東南アジアまで多岐にわたる「神仏融合」の実態を解き明かし、一国史的な認識を超えて新たに日本の宗教文化を捉え直す。

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