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囚われのいじめ問題 未完の大津市中学生自殺事件

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フォーマット 書籍
発売日 2021年09月14日
国内/輸入 国内
出版社岩波書店
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784000614887
ページ数 334
判型 46

構成数 : 1枚

序章 「いじめ」とは何か——苦痛・事実・社会問題……………北澤 毅
一 「いじめ」定義問題
二 「事実」とは何か
三 「大津市いじめ自殺事件」をめぐる本書の問題関心
四 本書の構成



I 社会問題化した「大津市いじめ自殺事件」

1 新聞報道にみる「大津市いじめ自殺事件」の社会問題化……………越川葉子
一 「大津市いじめ自殺事件」報道のはじまり
二 「社会問題になる」とは
三 社会問題化以前の大津市事件
四 「市教委の隠蔽」問題の成立と社会問題化
五 事件の社会問題化と新聞報道

2 いじめ自殺テレビ報道の再構成——報道の集合と場面の力……………間山広朗
一 二つの問題関心
二 集合としてのテレビ報道
三 事件が「社会問題化」するということ
四 テレビ報道の手法
五 テレビ報道場面を理解するということ
六 報道と視聴者の囚われ

3 何が「隠蔽」されていたのか——「いじめ問題神話」としてテレビ報道を読み解く……………稲葉浩一
はじめに
一 マスメディアにおける「社会問題化」の方法
二 社会問題化過程の中の〈有識者〉
三 大津市事件報道で伝えられたこと
おわりに——「いじめ問題神話」とお茶の間の狂気

4 「事実」認定の方法と論理——第三者調査委員会報告書と判決文を読む……………北澤 毅
一 問題関心と分析方法
二 Xの意味世界と希死念慮
三 Xをめぐる人間関係——元担任の語りと生徒たちの目撃証言
四 「事実」認定方法としての過去の再構成



II 当事者経験への接近

5 「いじめ自殺」事件をめぐる〈遺族〉の経験……………今井 聖
はじめに
一 「いじめ自殺」事件における「学校の壁」——『いじめ自殺——一二人の親の証言』から
二 〈遺族〉カテゴリーの社会的意味
三 〈遺族〉としての経験の共有
四 事件はいかに経験されるのか——大津市事件の遺族の語りから
おわりに

6 「いじめの加害者になる」という経験——元生徒と保護者の語り……………越川葉子
一 いじめの加害者とされる人々の経験を聞く
二 いじめ問題における当事者の語りの位置
三 いじめの事実認定以前の噂の存在
四 いじめの事実認定と保護者の経験
五 一〇月五日の出来事の解釈をめぐる問題
六 「加害当事者」の抑圧経験

7 「大津市いじめ自殺事件」における「中心」のリアリティ——担任教師の証言をてがかりに……………稲葉浩一、山田鋭生
一 片隅においやられた教師の声
二 非難される教師——いじめ問題小史の中で
三 「中心」のリアリティと「外縁」の物語
四 教師が語り手となるためには



III 囚われからの解放へ

8 未完のいじめ自殺——物語としての判決と羅生門的解釈……………間山広朗
一 物語としての裁判
二 争点としてのいじめ
三 争点としての家庭問題
四 二つの争点の「客観的」な検討
五 判決物語の続きとしての羅生門的解釈
六 未完のいじめ自殺

9 「大津市いじめ自殺事件」報道後の子どもたちが生きる場所——いじめ防止対策推進法と高裁判決の相克の先に……………紅林伸幸

  1. 1.[書籍]

いじめが社会問題化して30余年、子どもの自殺→原因究明→再発防止、という構図が一般化した。「いじめ防止対策推進法」の制定など、社会に大きな影響をもたらした「大津市いじめ自殺事件」は私たちに何を問うているのか。過熱報道、被害者遺族、加害者とされた側、教師らの経験など、その複雑な全体像に迫る問題提起の書。

作品の情報

メイン
編集: 北澤毅間山広朗
著者: 越川葉子

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