| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 1998年06月24日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | UNIVERSAL MUSIC |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | TOCP-3429 |
| SKU | 4988006752849 |
構成数 : 1枚

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イギリスのロック・バンド、マリリオンが1994年に発表したコンセプト・アルバム (7作目)。柔らかい中に芯の強さを備えた2代目ヴォーカル:スティーヴ・ホガース加入後を「後期」と呼ぶのだが、これはその後期の代表作である。
イギリスの高速道路「M4」の橋の下で記憶を失い、錯乱した少女が発見された。この少女の情報を求めるラジオ放送を運転中に聞いたSteve Hogarth(vo)は、非常にショックを受けたと言う。「一体、今の社会で何が起きているのだろう?」そうしてこの実話を元に彼は詞を書き始めた…。初めは2、3曲のつもりだったそうだが、書いていくうちに、それはアルバム全体に及ぶ壮大な叙情詩となって行く。
「無味乾燥なTV、垂れ流しの化学物質、学校ではいつも型に押し込まれていた…そんな世の中に慣れなくては!」と歌う “Living with the Big Lie”、「家に連れ戻された時、泣いたかい? 逃亡者…仕方ないね」と歌う “Runaway”、徐々に自分を失って壊れていく主人公の叫びを「Tell me I'm mad!」という言葉に込めた12分の大作 “Goodbye to All That” など、現代的なタッチのメロディーと、絡み合う効果音の中、シリアスかつ悲痛な詞が駆けめぐる。
終盤、“The Great Escape” で逃避行のクライマックスを迎えたストーリーは、最後に “Made Again”(=生まれ変わる)で、ひとつの「救い」に到達する。アルバム中唯一の優しいナンバーであるこの “Made Again” のメロディーはとても美しく、主人公は朝の光の中で「希望」という新しい自分を見出すのだ。
現代社会を「音楽」で見事に表現しきった素晴らしい作品で、自分はこれを超すアルバムは出てこないのではないか? とさえ思っている。番組の主題歌や、CM音楽には全く使えないタイプの音楽であるが、これがヒットチャートのトップ10に食い込んでくる所に、イギリスのシーンの奥深さを感じる。
詞も、メロディーも、アレンジも、どこから聞いても素晴らしく、大作であるにも関わらず、無駄な展開が殆どない。ちょっと信じられないアルバムである。