ディスコ/ブギー/ファンクのトレンドをいち早く取り入れた2010年のヒット・アルバム『Long Distance』や、2015年リリースのバック・トゥ・90'sなメロウ・ヒップホップ・アルバム『Fundamentals』、その他90's R&Bのミックスや様々なリエディット作品から鑑みても、このパリジャン・ビートメイカーはいかに80's/90'sのブラックミュージックに影響を受けたかが見て取れよう。しかしながら、そんなOnraのアーティスト/プロデューサーとしての原点たる「ディグの精神」、「未知の音楽への探求心」が最も如実に表れているのは、他でもないこの『CHINOISERIES』だ。
その最終作(2023年現在)にあたる本作は、彼がDJやショーで訪れる世界各地でレコードをディグし得た収穫でもって紡ぎだした膨大な手間暇と情熱の集大成だ。中国をはじめアジア周辺各国の歌謡曲や民謡と思しきミステリアスなサンプリング・ソース、意味不明な怪しい声ネタを、ゴールデンエラ流儀のカット&ペースト、チョップ&フリップにて見事ドープなヒップホップ・ビーツへと昇華。シリーズを通して一貫とした耳の良さと秀逸なプロダクション・スキルで、今作もご多分に漏れずビートアルバムながら抑揚のきいたアルバムとなっている。渾身の32トラックはリリースから10余年を経ても未だ色褪せることの無い中毒性の高さを誇っており、CHINOISERIESシリーズの"終劇"に相応しい逸品であると言えよう。
発売・販売元 提供資料(2023/08/03)
ヴェトナム系パリジャンのビートメイカー、オンラーのビート・アルバム・シリーズ第3弾。いったいどこから探してきたのか……という感じのアジアの民謡や歌謡曲などを素材にして、90年代ヒップホップ・マナーのビートに仕立てたオリエンタルな全32曲。1曲1~2分の小品を集めた内容ですが、未知の音源を掘り起こしてモダンに聴かせるアイデアの豊富さとプロダクション・スキルに驚きです。
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タワーレコード(vol.403(2017年5月25日発行号)掲載)