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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2014年07月11日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 講談社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | 文庫 |
| SKU | 9784062922470 |
| ページ数 | 240 |
| 判型 | 文庫 |
構成数 : 1枚
序 出会った歴史──「近代」と「中世」
第一章 「ガリヴァー」の遺産──近代史学のルーツ
1 江戸の中の西洋
2 江戸期の考証学
3 近代史学の界隈へ
第二章 「ミカドの国」の周辺──近代明治の学問事情
1 開化期の史学事情
2 文明史からの解放
第三章 「カイザーの国」の歴史学──西欧史学の移植
1「欧羅巴」史学の履歴書
2 リースと「史学会」
3 リースが見た「日本」
第四章 「ミカドの国」の歴史学──久米事件とその周辺
1 久米邦武筆禍事件
2「ミカドの国」の輪郭
3 久米事件の源流
第五章 「ミカド」から「天皇」へ──喜田事件とその周辺
1 南北朝正閏論争
2 南北朝問題の源流
3「ミカドの国」の終焉
あとがき
近代日本の歴史学は、江戸期の漢学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、摩擦しながら、「新しい日本の自画像」を描くべく成立した。鎖国下の平賀源内や荻生徂徠、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、ドイツから来日したリースの働きなどから、「国史」誕生の経過を描く。さらに、久米邦武筆禍事件、南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、鍛えられていく過程をたどる。
日本の近代歴史学の成立事情とその背景のドラマを、おもな歴史学上の事件と人物を中心に描き出す。
明治時代とは、江戸期の知的遺産と、急速に流入した西欧の学問が出会った時代だった。歴史学に関していえば、江戸期以来の漢学、特に朱子学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、あるいは摩擦を起こしながら、「新しい日本の自画像」を描くべく、「歴史学」が成立し、さらに「国体史観」を形成していったのである。
本書では、鎖国下の平賀源内や林羅山、荻生徂徠らの歴史認識から、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、実証史学の移植に寄与したドイツの歴史家・リースの働きなどをみながら、「国史」誕生の経過をたどる。
さらに、久米邦武筆禍事件、喜田貞吉と南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、あるいは鍛えられていく過程をみていく。
日本の歴史学の成り立ちをあらためて整理し、現代も問われ続けている、「国家」と「歴史研究」との緊張関係という問題を考察する手掛かりとなる好著。
〔原本:『ミカドの国の歴史学』新人物往来社 1994年刊〕

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