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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2015年12月11日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 講談社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784062586177 |
| ページ数 | 304 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
はじめに─紛争分析は問題解決の第一歩
第一章 現代の国際秩序─主権国家と自由主義
1 われわれは、いま、どんな時代にいるのか
2 不安定でも維持されるべき秩序
3 自由主義の覇権をめぐって
第二章 勢力均衡─東アジアの紛争と中国
1 もっとも広く知られた理論
2 超大国としての中国
3 二十一世紀の日本の位置
第三章 地政学─ヨーロッパの紛争とグレート・ゲームのゆくえ
1 マッキンダーの洞察
2 東欧を支配する者は……
3 NATOの東方拡大
第四章 文明の衝突─中東の紛争と対テロ戦争の帰趨
1 ハンチントンの警告
2 西欧対イスラム
3 文明の衝突と文明の代表をめぐる争い
第五章 世界システム─アフリカの紛争と格差社会としての現代世界
1 武力紛争の大陸
2 ウォーラーステインの指摘
3 国際秩序の陥穽
第六章 成長の限界─アメリカの「明白な運命」と進歩主義の未来
1「自由の帝国」は限界をもつか
2 アメリカの「明白な運命」
3「成長の限界」の衝撃
むすびに─現代世界の紛争と日本
本書の第一章では、国際秩序への挑戦として紛争をとらえることを論じた。第二章は、東アジアの現状を勢力均衡の理論的視座を用いて分析。第三章は地政学の観点から欧州に焦点をあてた。第四章は中東情勢と文明の衝突という考えかたをぶつけ、第五章は格差社会としての国際社会の問題として、アフリカを世界システム論などを手がかりに論じた。第六章はアメリカの対外的な軍事行動の背景に、「成長信仰」の観点から迫った。
本書は、現代国際社会の全体動向のなかで紛争を理解していくために、いくつかの代表的な理論を題材として取り上げながら、構造的に武力紛争の背景を探ることを試みた。
第一章では、まず現代国際社会の秩序の特徴を見たうえで、国際秩序への挑戦として紛争をとらえることを論じた。第二章は、東アジアに焦点をあて、勢力均衡の理論的視座を用いながら、紛争構造を分析することを試みた。第三章は、ヨーロッパに焦点をあて、地政学の理論的視座を用いた分析を試みた。第四章は、中東情勢を論じるにあたって、文明の衝突という考えかたを参照してみる作業をおこなった。第五章は、アフリカを格差社会としての国際社会の問題としてとらえるために、世界システム論などを手がかりにすることを試みた。第六章は、アメリカによる対外的な軍事行動を、成長の限界を克服するための運動としてとらえることを試みた。
本書がこれらの試みをおこなったのは、日本においてとくに、紛争分析に問題関心が集まる機会があまりなく、とくに理論的な視座を駆使した分析の機会が少ないことを補うという意図をもってのことであった。
本書の議論だけでは不足があることは当然だ。しかし紛争分析とは、単に混沌とした情報を並べることではなく、ときには理論的視座も駆使しながら、目に見えない社会の動きの性格を把握していくことなのだということを、少しでも示唆することができたとすれば本書の執筆にはそれなりの意味があったということになるだろう。
(「むすびに」より)

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