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主権の二千年史

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フォーマット 書籍
発売日 2018年06月11日
国内/輸入 国内
出版社講談社
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784065118450
ページ数 224
判型 46

構成数 : 1枚

プロローグ
第一章 近代民主主義とは?
1 機能分化した政治システム
2 人民主権・立憲主義・代表原理
3 古代民主政と近代民主主義
4 民主主義の「ありそうもなさ」
5 社会の自己組織化としての近代民主主義
第二章 近代民主主義への道
1 供犠と権力──自己否定的な自己組織化様式
2 西欧中世における王権観念の変遷
3 封建制とキリスト教
4 中世前期──聖俗二元体制の形成
5 中世後期──教会の国家化と国家の教会化 (1)
6 中世後期──教会の国家化と国家の教会化 (2)
7 立憲主義・代表制・人民主権論
8 自己否定的な自己組織化様式の否定
第三章 近代民主主義の成立と構造
1 近代の中の中世
2 絶対主義国家の過渡的性格
3 市民革命と脱宗教化
4 市民的公共性と近代民主主義
5 政治システムの機能分化
6 機能分化の基礎的条件──「公と私」の分離
7 機能分化の追加的条件──三つの限定
8 近代の自己組織化様式
第四章 近代民主主義の揺らぎ
1 戦後体制の崩壊
2 領域的限定からの乖離
3 規範的限定からの乖離
4 方法的限定からの乖離
5 近代社会の変容
6 近代民主主義の危機
エピローグ 情報化時代の民主主義
1 民主主義をめぐる理論と実践
2 遠隔デモクラシー
3 現代的な自己組織化と民主主義
文献一覧
あとがき

  1. 1.[書籍]

なぜ民主主義は危機に陥ったのか? 「貨幣」と「権力」を軸にしたメカニズムを駆動する「主権」とは、いったい何なのか? 経済学とも政治学とも異なる視点で古代ギリシア以来の壮大な歴史をたどらなければ、もともと民主主義に刻み込まれていた問題を理解することも、真に有効な打開策を探ることも決してできない。第一級の社会学者だからこそなしえた大胆な試みと重要な提言。未来を切り拓くための必読の書がここに完成!


今日、民主主義の危機が叫ばれることが多い。日本でも投票率は1980年代をピークに下降の一途をたどり、民主的な選挙で選ばれたはずの政治家に反対するデモが行われることもめずらしくなくなった。
振り返れば、民主主義が正当な統治形態とみなされるようになったのは20世紀に入ってからのことにすぎない。そして、早くも20世紀後半には民主主義の限界や欠陥が指摘されるようになった。本書は、今や危機に瀕している近代的な民主主義が成立する過程を、古代ギリシア以来の二千年以上に及ぶ歴史の中で描き出す壮大な試みである。
だが、本書の目的は単に歴史学的なものではない。歴史的な経緯を追うことによってのみ判明する民主主義の根本的な問題を剔出することが主眼である。危機をもたらした問題を明確に認識しないかぎり、その解決策を導き出すことは決してできないだろう。
この試みの導きの糸となる概念が、本書のタイトルにある「主権」にほかならない。民主主義をもたらしたメカニズムは「貨幣」と「権力」を軸にしている。だが、この両者は決して別々のものではなく、複合的に働いている。その働きを可能にしたのが「主権」という概念である。だからこそ、経済(学)と政治(学)を区別し、貨幣と権力をそれぞれ独立した媒体と考える従来の理解では、民主主義の危機を真に理解することはできない。
本書は、経済学者にも政治学者にもなしえなかった比類なき達成であり、第一級の社会学者として知られる著者による提言の書である。

作品の情報

メイン
著者: 正村俊之

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