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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2018年03月11日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 講談社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784062586740 |
| ページ数 | 272 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
序 精神分析の哲学、哲学の精神分析
第一章 唯物論──意識現象の存在について:~1953年
1 精神分析と科学
2 心的装置の定量分析──初期フロイトの経済論モデル
3 鏡像段階のヘーゲル──初期ラカンにおける「自己」の形成
第二章 言語論──「叡智的世界」の理念性について:1953~56年
1 「父」の審級
2 理性の「構造」
3 構造の生成──ソシュールを越えて
第三章 発生論──エディプス・コンプレックスの形成について:1956~60年
1 「対象」と「もの」
2 「対象」のロンド──ラカンの「対象関係論」
3 大他者の大他者は存在しない──心的装置の「グラフ」
第四章 数理論──理念的なものの構造について:1961~62年
1 メタ言語は存在しない──「嘘つきパラドックス」の論理
2 ラッセルのパラドックスの論理
3 ラカンのトポロジー論の射程
第五章 実践論──革命について:1963~70年
1 「性」の精神分析
2 疎外と分離のトポロジー
3 構造は街頭に繰り出す──四つのディスクール
第六章 生成変化──多様な構造化の可能性について:1971~81年
1 抹消線を引くこと、女性の享楽
2 ボロメオの環
3 構造の生成──名指し・偽穴・サントーム
註
あとがきに代えて:1981年~
フロイトが創始した精神分析を刷新し続けた不世出の存在、ジャック・ラカン(1901-81年)。1953年から最晩年の1980年まで続けられたセミネールでは何が起きていたのか? 主著『エクリ』をも読み解きつつ、セミネールの全展開を時系列順に通観していく本書は、ラカンを「哲学」として読むことによって前人未到の眺望を獲得していく。気鋭の哲学者が渾身の力をそそいで完成した、平易にして画期的な本格的概説書!
フランスの精神分析家ジャック・ラカン(1901-81年)は、フロイトが創始した理論を刷新し、常に新たな精神分析を創出し続けた、不世出の人物である。本書は、そのラカンの生涯をたどりながら、精神分析の出会いとなった博士論文『人格との関係からみたパラノイア性精神病』(1932年)を皮切りに、『エクリ』(1966年)をはじめとする著作を参照しつつ、1953年から最晩年の1980年まで続けられたセミネールを読み解いていく。
テーマ別ではなく時系列で構成された本書は、パリ・フロイト派の中心的存在として活動したあと独自の方法を実践したために「破門」され、みずから「フロイトの大義派」を形成していくラカンの生涯の道行き、そしてその過程で絶えずみずからの理論を否定して新たに一から考察していくラカンの思想の展開に沿ったものである。その意味でも、本書は他に類を見ない明快な概説書となっている。
だが、それだけではない。
書名に示されているとおり、著者はラカンの思想を「精神分析」としてではなく、あえて「哲学」として読むことを試みる。各々の時期ごとに区分された各章は、そこで主たる考察の対象となった問題をあえて哲学史の文脈に置いて見せることで、これまで誰も見ることができなかった意味をはっきりと浮かび上がらせる。キーワードとなるのは、第1章「唯物論」、第2章「言語論」、第3章「発生論」、第4章「数理論」、第5章「実践論」、第6章「生成変化」である。
とりわけ日本では紹介が遅れている後期のセミネールをも射程に入れ、独自の一貫した視点からジャック・ラカンという巨人の全容が語られる。哲学者ラカンは、私たちにいったい何を教えているのか。気鋭の哲学者が渾身の力をそそいだ画期的な1冊がついに完成!

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