英国ギター界の名物作曲家による多彩な音楽
科学技術者として働きながら音楽活動もおこない、54歳から専業音楽家として世界的に活躍したデュアルテの音楽から協奏的な作品を集めたアルバム。
イギリス的な雰囲気も豊かな「チューダー朝の幻想」から、タイトル通り楽しい「陽気な協奏曲」まで、変化に富むスタイルの音楽を楽しむことができます。
演奏はイタリア人ギタリスト2人と、イタリア人指揮者、イギリスの室内オーケストラによるものです。
作品情報
◆「チューダー朝の幻想」Op.50(トラック1~3)
デュアルテがギターとオーケストラのために書いた最初の公式作品。フランスの有名ギタリスト、イダ・プレスティ[1924-1967]の委嘱を受けて、1967年の初めに作曲に着手。プレスティは、ロドリーゴ[1901-1999]がガスパール・サンス[1640-1710]の作品をもとに書いた「ある貴紳のための幻想曲」[1954]で、ギター独奏と管弦楽でおこなったようなことを、エリザベス朝音楽を元にギター二重奏と管弦楽のために書いて欲しいと依頼します。二重奏をリクエストしたのは、プレスティが1950年からアレクサンドル・ラゴヤ[1929-1999]とデュオ「プレスティ・ラゴヤ」を結成して世界をまわっていたからですが、プレスティは依頼から間もなく、アメリカ・ツアー中に肺癌の合併症による出血で亡くなってしまいます。委嘱者を失ったため、デュアルテは作曲を中止。その後、タイトルをエリザベス朝から拡大してチューダー朝とし、「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」を素材として使用。編成も一般的なギター独奏と管弦楽のためのものとして1972年に完成。さらに、作品の性格についても「協奏曲というよりは幻想曲」と説明していることから当初の予定とは大きく違う方向に進んだことが窺えます。
◆「次の市の日」(トラック4)
アイルランド民謡「次の市の日」を元にした作品。市に向かう途中の青年との出会いが忘れられない少女が、次の市を待ちわびる有名な歌。ギター独奏、ピッコロ、スネアドラム、弦楽のために1956年に編曲。
◆「ルーム島のクイリン」(トラック5)
スコットランドのルーム島は、グラスゴーの北西約180kmに位置。クイリンはその島のシルエットを浮かび上がらせる山々。ギター独奏と、フルート、オーボエ、弦楽のために1956年に編曲。
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発売・販売元 提供資料(2023/08/01)
◆協奏四重奏曲 Op.22(トラック6~9)
ジョン・ウィリアムズとロンドン王立音楽大学の学生のために1956年に作曲したもので、編成はギター独奏と弦楽三重奏(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)。デュアルテはセゴビアのアドバイスで、弦楽四重奏ではなく弦楽三重奏を使うことに決定。民謡「バーバラ・アレン」の引用が聴かれる第1楽章ではギターカデンツァが印象の。第2楽章はシチリアーナでルネッサンス風の素材も登場。第3楽章はのちにギター・デュオ「プレスティ・ラゴヤ」のための人気曲「バディネリ」に編曲。第4楽章は変化に富み、童謡「ホット・クロス・バンズ」が登場したりして驚かされます。
◆陽気な協奏曲 Op.101(トラック10~12)
ベネズエラ人、アルフォンソ・モンテスと、ドイツ人、イリーナ・キルヒャーのギター・デュオのために作曲。ベネズエラ(ベネスエラ)とのつながりは、アントニオ・ラウロのワルツ「ラ・ネグラ」を引用することで示されます。楽器構成は、ギター二重奏、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペット、ティンパニ、ヴィブラフォン、チェレスタ、ボンゴ、クラベス、コンガ、タンバリン。独奏が二重奏で、オケは室内編成で打楽器がにぎやかなため、オーディオ的にも注目度の高い作品です。
<アントニオ・デ・イノチェンティス(ギター)>
1961年、ナポリで誕生。1980年に初のソロコンサートを開催し、1985年にアヴェッリーノのドメニコ・チマローザ音楽院を最高成績で卒業。国内外のギター・コンクールで優勝。1992年には、パガニーニの24のカプリースを一度のコンサートで演奏した世界初のギタリストとして注目を集め、以後、ヨーロッパとアメリカで演奏活動を展開。1999年10月にはロンドンでジョン・W・デュアルテ80歳記念祝賀コンサートに出演し、2019年10月には、ロンドンで開催されたジョン・W・デュアルテ生誕100周年コンサートに出演。CDは、Brilliant Classics、Fiammant Records、dotGuitarなどから発売。
<ニコラ・モンテッラ(ギター)>
1987年生まれ。8歳でクラシック・ギターのレッスンを開始。ポテンツァのジェズアルド・ダ・ヴェノーザ音楽院とアヴェッリーノのドメニコ・チマローザ音楽院で教育と演奏の学位を取得しドイツのコブレンツ国際音楽アカデミーで研究を継続。以後、ヨーロッパを中心にアジアなどでも演奏。CDは、Brilliant Classics、D'Addarioなどから発売。
<ジャン・ルイージ・ザンピエーリ>
1965年、ローマで誕生。ローマのサンタ・チェチーリア音楽院と、シエナのキジアーナ音楽院の上級コースに通い、1988年に名誉ディプロマを取得。その間、1980年には15歳でローマのサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ大聖堂の常任オルガン奏者のひとりに選ばれ、2000年まで20年間在籍。ザンピエーリはフランコ・フェラーラの最後の弟子で、ジュリーニ、バーンスタインの指導を受ける機会にも恵まれ、さらにロジェストヴェンスキーとマゼールのアシスタントとして多くの現場経験を積んでもいます。CDは、Brilliant Classics、Filarmonica Brasovなどから発売。
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発売・販売元 提供資料(2023/08/01)